旧マドリガルラボと旧レキシコンのチームがタッグを組んで開発したリファレンス・ソース・コントローラーBricasti M12から、ピュア・オーディオファイルからの強い要望によりデジタル回路を取り除き、純アナログプリアンプとして開発されたのが、M20です。
マドリガル時代のマークレビンソンの設計思想を発展させた左右完全独立設計の電源部・回路部のほか、抵抗ラダー型のアッテネーター、セラミック素材の回路基盤など、細部にわたり音質追求を行なった、リファレンス・プリアンプです。
徹底的なデュアルモノーラル、全段完全バランス設計
M20は、全段完全バランス設計のデュアルモノーラルプリアンプです。
1筐体ながら左右で完全に独立した基板を採用し、信号処理回路、アナログLch出力回路、アナログRch出力回路それぞれ独立に電力供給する専用電源部を有する徹底したデュアル・モノーラル設計が特長です。
各入力経路には独立した入力バッファ回路があり、バランスとアンバランスのソースを完全に分離し、各入力タイプごとに異なるゲインを設定することができます。入力段のバッファには、アナログ・デバイセズ社の低ノイズ・高速セトリング・オペアンプを採用しています。
出力バッファは、M1、M12、M21のような他の製品に基づいた、当社独自の慎重な設計となっています。
3つの独立したバッファリング出力により、M20は2つのバランス出力で2台のパワーアンプを駆動するバイアンプ用途や、2または3つのゾーンを駆動する用途に最適です。
入力はバランス2系統、アンバランス1系統の計3系統、出力はバランス2系統、アンバランス1系統の計3系統を装備しています。
デジタル制御の抵抗ラダー型高精度アッテネーター
M20は1dBステップの操作幅を持つ完全アナログ方式の高精度かつ低ノイズのボリューム機構を搭載しています。ボリュームはリモートコントロールが可能で、かつ各入力に合わせてプログラムすることが可能です。
最高レベルの精度でのボリューム調整を実現すべく、フルバランス・デュアル・モノラル仕様のR2R型ボリュームを採用しています。4つの独立したシグナル・パスを240個の抵抗で構成されたボリューム機構によってコントロールします。
このボリューム機構はコントロールのみデジタル方式を採用しており、16個の高速アナログ・スイッチをアナログデバイセズのプロセッサーで制御しています。これによってリレーの切り替え時の物理的なノイズやオーディオ信号の電気的なノイズが発生しないよう配慮されています。
左右チャンネル独立して1基ずつ、制御基盤用に1基で合計3基のリニアトランス電源部
電源部は、3つのリニア電源で駆動され、左右のアナログチャンネルに1基ずつのリニア電源と、制御回路用に1基のリニア電源が用意されました。それぞれのチャンネルは二重安定化電源により極めて安定した電源が供給されています。
高周波基板用の低損失樹脂を採用したアナログ回路基板
アナログ回路基板には高周波領域の低損失基板用を採用しています。基板にはArlon25の伝統を継承するRogers社製の透磁率に優れたセラミック素材を採用し、プリント基板はカリフォルニア州 San Jose にある Bricasti Design の自社工場にて製造されています。
CNCマシンによるアルミニウム合金切削パーツをふんだんに使用してノイズと振動に配慮した高剛性シャーシ
M20のすべての機構部品は、アルミニウムブロックから切削加工されます。 プレス加工を用いた金属部品を使用しておらず、操作ボタンのキャップやインシュレーターもすべて社内設備で切削加工したものを採用しています。
米Stillpoints社との共同開発によるアイソレーション・フット
M20には、Stillpoints社製の振動アイソレーション・フットを使用していることです。このアイソレーション・フットは、電磁誘導で発生する振動や外力による振動を絶縁し、美しいデザインと、米国Stillpoints社の優れた振動減衰機能を付与しています。