1000兆分の1秒(フェムトセカンド)精度のジッター抑制をはじめとするRMEの最新テクノロジーを凝縮したプロフェッショナル・モバイル・オーディオ・インターフェイス
Babyface Proは、コンパクト設計のモバイル仕様でありながら、プロフェッショナルに必要なクオリティーをRMEの技術力で実現したオーディオ・インターフェイスで、初代モデルが2011年に発売されて以降国内外で多くのアワードを受賞し、音楽制作、放送、研究開発をはじめ様々なジャンルにおいてリファレンス機として使用されています。
日々進化を続けるRMEの最新テクノロジーが搭載されたBabyface Pro FSの登場によって、業界のリファレンス・クオリティーが再定義されることとなります。RMEインターフェイスに搭載されるSteadyClockテクノロジーは安定したクロック同期を可能にするだけでなく揺らぎのない正確なDAコンバージョンを行い、かつてないクリーンなサウンドを可能にします。最新モデルのBabyface Pro FSは、精度が1000兆分の1秒(フェムト秒)単位に向上された次世代バージョンの「SteadyClock FS」を搭載します。これは高性能クロック・ジェネレーターの先を行く精密さと言えます。
ヘッドフォン、イヤフォンでの再生環境が重要視される近年、制作サイドでの正しいモニタリング環境の構築は不可欠となりました。Babyface Pro FSには、TRSとミニジャック端子の2つのヘッドフォン出力が搭載され、ハイ・インピーダンス(ヘッドフォン)とロー・インピーダンス(インイヤー・モニター)に最適な独立したドライバー・ステージを備えます。これによりあらゆる種類のヘッドフォンに対応可能で、常に本来のベストなサウンドを引き出します。AD/DAコンバーターとして最高峰のスペックを誇るADI-2 Pro FSと同じオペアンプを使用し、両端子の出力THDは最大10 dB改善されました。さらに、3.5 mm TRSフォン出力は最大90 mWまで対応し、出力インピーダンスは2 Ωから0.1 Ωに減少しています。
また、AD / DAコンバーターのSN比が向上し、+19 / +4 dBuのリファレンス・レベルを本体で変更可能な物理スイッチや、モバイル使用時の盗難防止「K-スロット(Kensingtonロック・ポート)」を新たに搭載するなど、Babyface Pro FSはオーディオ・インターフェイスの限界にチャレンジし続けるRMEの集大成となる製品です。
アナログ入出力
メイン入出力には、モノラル2系統のXLRバランス入出力を装備し、安定した接続を確立。SN比はマイク入力が113.7 dB、ライン入力が116.3 dB (120 dBA)とさらに進化し、ライン入力のTHDは8 dB向上しています。
2つのデジタル制御プリアンプは、個別に切り替え可能な48Vファンタム電源を搭載し、新たに改良された回路は、1 dBステップで調整可能な76 dBのゲイン・レンジとリレー駆動のPAD機能を備えます。これにより優れたEIN(等価入力ノイズ)性能やライン過負荷保護を提供し、レベルの小さなマイクロフォンを接続しても十分なゲインを提供します。そして筐体にシームレスに統合されデザインされたメイン入出力のXLRソケットは、余分なスペースを取りません。
入力3〜4には、ラインまたはハイ・インピーダンスの楽器を接続できますので、外出先でもBabyface Pro FS単体でギターを収録可能。付属のブレイクアウト・ケーブルを接続すればMIDI入出力も追加される為、トータル・プロフェッショナル・オーディオ・ソリューションとして多目的にご利用頂けます。
ヘッドフォン出力
TRSとミニジャック端子の2つのヘッドフォン出力は、ハイ・インピーダンス(ヘッドフォン)とロー・インピーダンス(インイヤー・モニター)のヘッドフォンに最適な独立したドライバー・ステージをそれぞれに搭載し、使用するヘッドフォンの種類に対して常に本来のベストな出力を提供します。
ADI-2 Pro FSと同じ出力オペアンプを使用しており、3.5mm TRSフォン出力は最大90 mWまで対応、両端子の出力THDは、最大10dB改善され3.5mm TRSの出力インピーダンスが2Ωから0.1Ωに減少しました。
デジタル入出力
TOSKINK形式のオプティカル入力・出力が各1系統ずつ搭載され、最大192kHzまでのS/PDIFもしくはADAT(SMUX対応)フォーマットで利用できます。
また、オプティカル端子にADATコンバーターを接続することにより、Babyface Pro FSのアナログ入出力を拡張することが可能です。 例えば、RME OctaMic IIやOctaMic XTCのようなADAT対応マイク・プリアンプと組み合わせることで、12チャンネルのアナログ録音やADI-8QSやADI-8DS Mk IIIと組み合わせて、ライブやスタジオでのマルチトラック・アプリケーションとして使用することも可能です。
SteadyClock FSによる精密な録音 / 再生 / 編集環境
デジタル・オーディオでは、オーディオ・ビットとリファレンスとなる時間軸の間に相関関係を要するため、クロック周波数は重要な要素です。しかしながら、クロック周波数は常に安定しているとは限りません。
Babyface Pro FSは、ADI-2 Pro FSに実装されたSteadyClock FS回路を搭載し、ジッター値をフェムト秒(1000兆分の1秒)単位の精度で抑制させることができます。よって全てのクロック・モードにおいて高品質なアナログ・コンバージョンを提供し、一切色付けの無い「ありのまま」の音をモニタリングすることが可能です。
RME製品のデジタル・コンバージョンは、一切のデータ損失や音質劣化なく行われ、またSteadyClock FSは音像が劣化しないことを保証します。より深い奥行きと、クリアな音像により、録音とミックス作業を正しく精密に行うことができます。
デジタル・リアルタイム・ミキサー TotalMix FX
TotalMix FXのミキサー機能はBabyface Pro FS本体のDSP上で処理されており、すべての入力および再生チャンネルを、同時にすべてのハードウェア出力へ、ミキシング/ルーティングすることができます。つまり、すべてのアウトプットに対して、独立したルーティングを自由に組むことができます。
また、コントロール・ルーム・セクションにより、トークバックやディム、スピーカーA/B切り替えといった、プロフェッショナルな作業に必要なモニター環境を提供します。
すべての入力チャンネルと出力チャンネルにはフルスケールのデジタル・コンソールに匹敵する充実した機能が実装されています。
3バンド・パラメトリックEQ、ロー・カット、MS処理、位相反転などの効果をチャンネルごとに設定できます。リバーブ / エコーのエフェクト機能は、ステレオのセンド / リターン・バスによりすべてのチャンネルに提供され、これらエフェクトは192kHzを含むすべてのサンプル・レートでご使用いただけます。
なお、Babyface上に搭載されたDSPには、DSPオーバーロード自動検出機能が搭載されており、より高いサンプル・レートに変換する際には、DSPの処理能力を超えるすべてのエフェクトが自動的に解除され、DSPオーバーロードになるのを防ぎます。これによりモニター・スピーカーを破損することも防ぐことができます。
TotalMix FXのエフェクト機能はレコーディング・チェーンに柔軟性をもたらすだけでなく、CPU負荷の高いソフトウェア・エフェクトの代替としても機能します。また、スタジオ・モニター用と、ボーカル・ブースのヘッドフォン用に別々のエフェクトをかけるなど、レコーディングの現場での需要に的確に応えることができる究極のソフトウェア・ミキサーがTotalMix FXなのです。
さらに新たにリリースされたTotalMix Remoteを併用すると、イーサネットや無線LANを用いてRMEオーディオ・インターフェイスのすべてのミックス状態、ルーティング、FX設定、そしてレベルメーターをリアルタイムでiPadやコンピューターに表示し、コントロールできます。
バスパワー駆動
Babyface Pro FSの驚くべき効率的なデザイン設計により、外部電源をほとんど必要としません。技術仕様を劣化させることなく、USB 3バス電源、およびほとんどのUSB 2バス電源で完全に安定した動作でご利用いただけます。モバイル録音時にコンデンサー・マイクをペアで使用しても問題が起こることはありません。
すべての新機能は、ユニットの消費電力を上げることなく達成されていますので、完全にバスパワーで動作させることが可能です。
最小限のレイテンシーと業界をリードする安定性
RMEはコア・テクノロジーを常に開発および最適化し続けることを哲学としています。
RMEはマルチチャネル・オーディオのリーデイング・カンパニーであり、USB 2.0でプロフェッショナルなパフォーマンスを実現した最初の企業です。信頼性が高く、安定したドライバーの開発と定期的な更新を行い、製品の音質への揺るぎないこだわりを持ち可能な限りの技術を惜しみなく提供し続けます。よってBabyface Pro FSは常に時代に応じて更新され、長くお使いいただける製品となります。
また、RME Audioはインターフェイス・コアを独自に開発することで、アップグレード、機能改善、バグ修正をサードパーティーに依存することなく提供できるため、製品を常に最新のOSでご利用頂けます。
クラス・コンプライアント・モード
Babyface Pro FSはクラス・コンプライアントに対応するため、CCモードをアクティブにすれば、iPhoneやiPadに接続してご利用になれます*。
iPadでTotalMix FXを使用すると、ハードウェア・ミキサーを完全リモート・コントロールすることができ、ミックスの作成、保存、読み込みが可能です。ライブ、収録時にもiPadからプロフェッショナル・レベルのI/O設定が可能になります。
*iPhone、iPadでお使い頂く場合には、別売りの電源アダプターが必要になります。
MIDI入出力
Babyface Pro FSにはMIDI入出力も用意されています。付属のブレークアウト・ケーブルを使えば、MIDI音楽制作機器の接続が可能です。
本体でのコントロール
Babyface Pro FSは直感的で使いやすいように精密にデザインされ、すべての機能と設定に簡単にアクセスできます。スタンドアロン・モードであっても、本体から直接入力と出力をルーティングおよびミキシングが可能です。これによって様々な場面での多彩な利用方法が実現します。
新しいBabyface Pro FSでは、本体の背面には新たに+19 / +4 dBuスイッチが搭載され、直接本体から出力レベルを調整できるようになりました。これにより繊細なアクティブ・スピーカーの対するSN比の向上、歪み/オーバーロードを回避し、TotalMixのフェーダーを常に0dB保つことが可能になります。高いアッテネーションを設定する必要が無くなります。
Babyface Pro FSはコンピューターを使わずにスタンドアローンの状態でも使用可能です。スタンドアローン時には「AD/DAコンバート・モード」の使用が可能で、特別な設定を行わなくてもアナログ <> デジタルの双方向変換が行えます。例えば、2チャンネルの高性能マイク・プリアンプとして、または、CDプレイヤーやDVDプレイヤーを接続してコンピューターに接続することなく音楽を楽しむなど、さまざまな目的に利用できます。
※スタンドアローン時には、別途電源供給が必要です。Babyface Pro FSには、ACアダプターが同梱されておりません。
インテリジェント・クロック・コントロールはすべての入力ソースの動作クロックの状態をリアルタイムで検知し、外部クロックに問題があった場合でも最後に正常だった状態を保持します。同じくRMEのテクノロジーであるSyncCheckとの組み合わせで、クロック同期の問題を迅速に調査できます。
高性能テスト、計測、解析ツール搭載
RMEの非常に強力なデジタル・オーディオ用メーター/アナライザー/測定ツールDIGICheckを利用頂けます。
これによりBabyface Pro FSは、精密なオーディオ測定器としても利用可能です。
DIGICheckはマルチトラック・レコーダー機能に加えてハードウェア上で動作するPeak/RMSメーター、さらにはソフトウェアの仕様に依存せずに再生音を解析できるアナライザーといった機能が含まれています。
* Mac環境ではDIGICheckの機能に一部制限があります。