数々の受賞歴を誇る「ADI-2 Proシリーズ」は、プロフェッショナル・録音スタジオ、マスタリング・スタジオに必要な透明無垢で全ての周波数帯で解像度が高く的確なジャッジを行うためのマスターAD/DAコンバーターとして圧倒的な支持を得ました。正確さとダイナミック・レンジの新たなリファレンスとなったそのサウンドは、制作現場のみならず、国内外のオーディオ業界にとっても革新的なものと評価されています。
ADI-2/4 Pro SE(Special Edition)は、多くのユーザーから寄せられるフィードバックと開発者のさらなるオーディオの進歩への想いからRMEの新たなフラグシップ / 最高峰のハイエンド・コンバーターとして開発されました。ハードウェアの大幅な向上により、その精度、品質、性能、考え尽くされた機能群は、全てのプロフェッショナルにとって柔軟かつ強力に確実な進化を遂げています。本来意図された音を、何も足さず何も引かずにすべてを余すところなく伝える開発理念を忠実に実践し続けるRMEだけが辿り着くことのできる至高のサウンド・クオリティーを提供します。
新開発の回路基板、強化された仕様と高速化されたDSPによる傑出した透明なサウンド特性、IEMにも対応したExtreme Powerヘッドフォン・アンプ、新搭載の超低ノイズの4.4mm 5極バランス・ヘッドフォン接続(Pentaconn採用)、2系統のバランス入力とTrue Balancedモードにより実現した4系統の独立したバランス出力、リアのXLR / TRS出力は独立したソースを出力でき一台でマスタリング時の外部エフェクトへのセットアップに対応、強化された電源によるハイ・パワーでノイズ・レスなオペレーション、外部機器の電源ON/OFF可能なトリガーアウト機能、さらにレコード盤を直接デジタル化可能なRIAAモードなどを搭載します。
ADI-2/4 Pro SEは、スタジオでのマスターAD/DAコンバーター、プロフェッショナル・マスタリング、オーディオ愛好家のリスニング環境まで、理想のセンター・ピースとしてお使いいただけます。
入出力
アナログ(ライン)入力(XLR/TRSコンボジャック) × 2 | アナログXLR出力 × 2 | アナログTRS出力 × 2 | ヘッドフォン出力 × 2 もしくは 4.4mm 5極バランス・ヘッドフォン出力 × 1 |
ADAT入出力(SPDIF互換) × 1 |
AES/EBU入出力 × 1 | SPDIFコアキシャル入出力(AES/EBU互換) × 1 | RME USB 2.0 × 1 | トリガーアウト × 1 | 多機能リモートコントローラー |
多目的設計
ADI-2/4 Pro SE は、あらゆるデバイスを一つにまとめ上げ、その全ての機能をハーフラック(9.5 インチ)1U サイズのコンパクト・サイズに収め、シンプルな操作性を実現しています。
ソリューション例:
- プロフェッショナル・スタジオ品質のハイエンド・マスターAD/DAコンバーター
- 真のハイエンド品質の独立した2系統ヘッドフォン・アンプ
- 他に類を見ない最も多機能で高性能なUSB DAC
- iPadとiPhoneのためのハイエンドAD/DAコンバーター&ヘッドフォン・アンプ
- 最大768 kHzのサンプルレートに対応する測定システムに最適なAD/DAフロントエンド
- モニタリング機能付きマルチ・フォーマット・コンバーター(AES、SPDIF、ADAT)
- SPDIF/ADAT再生システム
- DSD記録・再生ソリューション
- 最高峰のレコード・アーカイブ・ソリューション
精巧に設計されたサウンドのキャプチャと再生
ADI-2/4 Pro SEは、真のリファレンス・サウンドを実現するために、全ての設計において特別なストーリーが隠されています。メインのPCB(基板)は、カスタムの厚さで作られた銅を使用し10レイヤーで形成されています。これによってコンパクト・サイズでも十分な機能を実現し、ヘッドフォン出力に対して個々の電源を確保し、またノイズの乗らないもっとも理想的な環境を提供可能にしています。内部電源ステージと高精度レギュレーターはパフォーマンスを低下させない超低ノイズ設計がされています。厳選されたオペアンプ「SoundPlus」はすべての条件下で最高のSNR、最低のTHD、高いスルー・レートを実現し、アナログ回路全体は完全なシンメトリカル、バランス、DCカップリングで設計されています。信号経路の唯一のコンデンサーは、アナログ入力ソケットでDCを保護し、音への影響を避けるために慎重に選択されています。
デュアル・モノ設計で最大768kH、DSD録音/再生に対応する4チャンネルのADコンバーターです。ステレオ x 2系統に対してそれぞれプレミアム品質のDACが使用されています。EQ、クロスフィード、スペクトラル・アナライザーなどの内部オーディオ処理は、2.17Giga FLOPS(2882 MIPS)の構成のDSPチップに加え、更なる演算のための FPGA(ミキシング / ルーティング、レベル・ メーター、フィルター、クロスフィードに使用されるRME カスタムのバーチャル DSP)も搭載されています。これにより768kHzの作業でもパソコンに負荷を掛けずに行えます。
アナログ入出力
ADI-2/4 Pro SEは、歴代最高峰のAD/DAコンバーターとして新たに開発された回路基板をはじめ、高速化されたDSP、ハードウェアの強化によりRME史上最高のスペックを誇り、且つ大幅に機能が追加されました。
アナログ入力は2系統のXLR / TRSコンボジャックのサーボバランス入力、アナログ出力はリア・パネルに2系統のバランスXLR及び2系統のバランスTRS出力を搭載しそれぞれに独立したソースを出力させることができます。例えばバランスTRS出力からPhones 3/4の信号を選択して供給できるなど、マスタリング・プロセスにおける外部エフェクトへのセットアップにも最適です。
ADI-2/4 Pro SEに搭載される入出力は32bit/768 kHzで動作するコンバーターを採用し、S/N比は最大123 dBAを発揮します。これはカタログ上の理論値ではなく実機を測定して得られた数値です。
フロント・パネルにはバランス駆動が可能なExtreme Powerヘッドホン出力(ステレオ2系統)と便利な4.4mm 5極バランス接続端子を備えます。RMEの最新のTrue Balancedモードはバランス・ヘッドフォン駆動をリアのXLR出力とは独立して行います。そのため、フロントのバランス・ヘッドフォン出力を使用した際にもリアのXLR / TRS出力から異なるソース/信号を出力できます。
2系統のヘッドフォン端子と4.4mm 5極バランス端子
ADI-2/4 Pro SEのフロント・パネルには、2つのTRSヘッドフォン出力と1つの4.4mm 5極バランス出力(Pentaconn採用)が装備されています。
2系統のTRSヘッドフォン端子は、ハイ・インピーダンスとロー・インピーダンスのヘッドフォン両方に最適化された2系統のExtreme Powerドライバー回路を介して2つのフォン出力に供給されます。その出力信号はハムやノイズを全く感じさせないほどの高品質です。
新しい出力端子として、プラグとジャックそれぞれに5つの極と端子を備えた日本ディックス社製の高品質ヘッドホン用バランス接続コネクタ「Pentaconn」を採用。この4.4mm 5極バランス・ジャックはプラグ検出機能も備えており、ADI-2/4 Pro SEにバランス・プラグが挿入されると自動的にバランス・フォン・モードが有効になるため、接続も簡単です。
3つのヘッドフォン出力は、ミュートリレー、過電流検出、DC保護、プラグ検出、DSPコントロール(ボリューム自動割り当て、過度なボリュームからの保護アラート、自動バランス・モード、デュアルフォン・モード、オーバーロード検出時のユーザー操作、ローインピーダンス・レベルメーターの自動スケーリングなど)を備えています。
また、Hi-PowerとLo-Powerの基準レベルに加えてIEMモードが追加され、IEM(インイヤー・モニター)との完全な互換性が確保されています。
新たなリファレンスとなるExtreme Powerヘッドフォン出力
RMEが開発したExtreme Powerヘッドフォンがさらに改良され、驚くほどパワフルな出力を提供します。2基のExtreme Powerヘッドフォン出力はリファレンス・クラスのサウンドとヘッドルームを実現しました。SN比122 dBAのノイズ・フリーのモニタリングを提供します。またRME独自のTrue Balancedモードを備え、XLR出力と独立したバランス・ヘッドフォン駆動を提供します。
新搭載のExtreme Powerヘッドフォン・ドライバー出力は極めて低いTHD値を達成しています。Extreme Power出力には 4-fold spread powerテクノロジーや、改善された熱伝導率、超低歪みドライバー回路などの技術が用いられています。その結果、32 Ω時のTHDはフル出力レベル(クリップ)付近でも-110 dB以下、SN比はDACと同等の122 dBA、出力インピーダンスはわずか0.1Ω、完全に安定した動作、そして0 ~ 80 kHzの周波数応答はトップエンドが 0.5 dB減少するだけに抑えられています。その結果、ハムやノイズ、歪みの全く無い、レベルに関わらず極めて透明でクリアなサウンドを実現しました。音楽のジャンルや使用環境を問わず最適なリスニング体験を提供します。
デジタル入出力
デジタル入出力はADATとSPDIFに対応する光TOSLINK入出力、付属のブレイクアウト・ケーブルを介して同軸SPDIF(RCA入出力)、AES(XLR)入出力も利用可能です。ユニバーサルなデジタル・フォーマットに対応し、オーディオに妥協を許さないユーザーに対して、優れた品質と柔軟な接続性を提供します。同軸及びオプティカルのSPDIFはAESと同時に動作させることも可能です。
1000兆分の1秒精度のクロック
デジタル・オーディオでは、オーディオ・ビットとリファレンスとなる時間軸の間に相関関係を要するため、クロック周波数は重要な要素です。しかしながら、クロック周波数は常に安定しているとは限りません。ADI-2/4 Pro SEは、SteadyClock FS回路を搭載し、ジッター値をフェムト秒(1000兆分の1秒)単位の精度で抑制させることができます。よって全てのクロック・モードにおいて高品質なアナログ・コンバージョンを提供します。 RME製品のデジタル・コンバージョンは、一切のデータ損失や音質劣化なく行われ、またSteadyClock FSは音像が劣化しないことを保証します。より深い奥行きと、クリアな音像により、録音とミックス作業を正しく精密に行うことができます。
サンプルレート・コンバーター
ADI-2/4 Pro SEには非同期ステレオ・サンプル・レート・コンバーター(SRC)が搭載されサンプル・レートをリアルタイムで変換します。音質劣化無しの変換が特徴で、変換によっ てノイズや余計な成分が追加されることはありません。SRCはクロック分離機としても機能し、同期機能が搭載されていない機器(CDプレイヤー、DAT機器など)をまるで外部クロックで同期しているかのよう に使用することが可能です。SRC は入力と出力のクロックを分離し、出力クロックをリファレン スとして設定します。これにより異なるクロック・ソースの共存が可能となります。
内部クロックを使用する場合、SRCはジッター除去装置としても機能します。ADI-2/4 Pro SE には非常に高いジッター抑制能力を持つ内部クロックSteadyClock FSが搭載されており、あらゆるクロック・ソースに対して完璧なジッター除去を行うことが可能です。一方、入力信号にジッターが含まれているとサンプル・レート変換の品質が落ちる可能性があります。そのためADI-2/4 Pro SE にはSRC入力信号専用のSteadyClock FSがもう1基搭載されており、可能な限り高精度のサンプル・レート変換を可能にします。
クロックの問題を回避し、より簡単な操作を実現するためにサンプルレート・コンバーターが搭載され、AES/EBUもしくはSPDIF入力に対して切り替えて使用することができます。また、最新のSteadyClock FSテクノロジーによって内部クロック、外部クロックを問わず、1000兆分の1秒単位の精密なジッター抑制を行い、安定したクロックを保ちます。
高解像度IPSディスプレイによる抜群の操作性
評価の高いRMEのDIGICheck Spectral Analyzerをベースにしたバイクアッド(双二次)フィルターの「スペクトラル・アナライザー」を採用するなど、ADI-2/4 Pro SEのディスプレイは数々の便利な機能を搭載し、本体やクロック情報、オーディオ信号の表示や本体設定の操作が行えます。画面の明るさ/色合いの変更や、背景色を黒に変更するダーク・モード、LEDを全て自動消灯するオート・ダーク・モードを備えるなど、用途や好みに合わせて柔軟に設定できます。フロントパネルのディスプレイは各種設定および、警告やガイダンスのメッセージを表示します。
高品質EQやプロフェッショナル・マスタリング機能を快適に操作
768 kHz対応の高品質5バンド・パラメトリックEQを搭載。ADI-2/4 Pro SEのEQは、機器による音質の差を整えたり、スピーカーやルームのキャリブレーション、またLR個別のEQ調整ができるDual EQにより、聴覚障害による左右音声のアンバランスの補正にも活躍します。
さらに、RMEインターフェイスに標準搭載されるフェーズ、モノ、ステレオ幅、M/S処理等の機能を全てのアナログ出力で使用可能です。
強化された基準レベル
ディスクリート回路による5段階の基準レベル(+1、+7、+13、+19、+24dBu)を切り替え可能です。これにより最適な動作レベルで最大限のダイナミック・レンジを確保することができます。また0 ~ +6 dBの入力感度を0.5 dB単位で微調整できるデジタル・トリムも装備しますので、業務機から民生機まで様々な製品と最適なレベルで接続することができます。
マルチチャンネル・モード対応
クラス・コンプライアントUAC2.0のUSBインターフェイスとしてADI-2/4 Pro SEをご利用いただく場合にはステレオ(2 in / 2 out)、もしくはマルチチャンネル・モード(6 in / 8 out)を切り替えてお使いいただけます。Mac OS XではCore Audioで接続するだけでご使用いただけ、Windowsでは、最高のパフォーマンスを実現するためにWDM、およびASIOに完全対応するRME MADIfaceシリーズのドライバーを使用できます。
継続的なアップデート
RMEはコア・テクノロジーを常に開発および最適化し続けることを哲学としています。
RMEはマルチチャネル・オーディオのリーデイング・カンパニーであり、USB 2.0でプロフェッショナルなパフォーマンスを実現した最初の企業です。信頼性が高く、安定したドライバーの開発と定期的な更新を行い、製品の音質への揺るぎないこだわりを持ちながら、可能な限りの技術を惜しみなく提供し続けます。よって常に時代に応じて更新され、長くお使いいただける製品となります。 RMEはインターフェイス・コアを独自に開発することで、アップグレード、機能改善、バグ修正をサードパーティーに依存することなく提供できるため、製品を常に最新のOSでご利用頂けます。
クラス・コンプライアント・モード
ADI-2/4 Pro SEは、iOS、Mac OS X、Linux、Windows 10(1709以降)などのOSがネイティブにサポートする規格「クラス・コンプライアント(UAC 2.0)」で動作します。デバイスを直接認識するため、専用ドライバーは必要ありません*。
ロック可能なコネクターを備えた外部スイッチング電源により、ADI-2/4 Proはバッテリーから簡単に電源を供給でき、モバイルアプリケーションや電気的に絶縁されたユースケースで利用できます。
*Windowsで機能をフルにご使用いただくには、WDM、およびASIOに完全対応するRME MADIfaceシリーズのドライバーのインストールが必要です。
よりパワフルに生まれ変わった電源
ADI-2/4 Pro SEをよりフレキシブルに操作するために新たに開発された電源モジュールは、9.5 Vから15 Vまでの電圧に対応したユニバーサルDC入力ソケットを装備しています。40 Wのハイパワーでありながら、わずか150 gの軽量化を実現しています。
高効率(90%以上)の最新鋭のスイッチング・レギュレーターを内蔵し、可聴周波数以上で動作させることで内部のハムノイズを防止します。内部ではスイッチング・レギュレーターの後に標準的なリニア・レギュレーター、さらに超低ノイズのリニア・レギュレーターが配置され、100 V ~ 240 Vのあらゆる電圧に対応するだけでなく、電圧変動に対して完全にレギュレートされ、ラインノイズも抑制されます。そのため、最適ではない電源環境でもADI-2/4 Pro SEは本来の技術的スペックを達成することができます。
ターンテーブルのダイレクト接続に対応するRIAAモード
RIAAモードにより、フォノイコライザーを経由せず、アナログ入力に直接レコードプレーヤーを接続可能です。ADI-2/4 Pro SEのRIAAモードは、MMカートリッジごとの出力電圧の違いや、LP盤ごとのレベルの違いに幅広く対応する5段階の入力ゲインを搭載し、1サンプル毎に反応する正確なレベル・メーターと合わせて使用することで大切なレコードのダイナミック・レンジを最大限確保します。さらに、ランブル・フィルターやRIAA Mono Bassなどの補正機能を利用することでレコード盤のバックグランド・ノイズを抑えながら、高品位なリアルタイム再生およびデジタル・アーカイブを可能にします*。
ADI-2/4 Pro SEのRIAAモードは一般的なフォノイコライザーとは異なり、ゲインやRIAAイコライゼーションをデジタル領域で処理します。これは、全ゲイン・ステージにわたって非常に小さなチャンネル偏差、極めて正確なRIAA補正、完璧な周波数特性、超低歪み、またユーザーがヘッドルームを選択できることによる高いオーバーロード耐性などの多くの利点を生み出します。1サンプル毎に反応する正確なレベル・メーターは入力レベル設定を容易にし、レコードのノイズを確認する際にも非常に便利です。
さらに高域バンドのEQを使って、一般的に静電容量の変化に影響を受けやすいカートリッジの高域周波数特性を効果的に補正したり、プリセット化されたEQでランブルノイズなどの20 Hz以下のすべての低周波振動をカットすることも可能です。またRIAA Mono Bassは、レコードのカッティング・システムの制限で本来モノラルである150 Hz以下の低域成分のみをモノラル化します。これにより、ステレオ・エンコーディングの行程でハウリング信号が左右チャンネルで位相がずれる現象をキャンセルし、再生音に殆ど影響を与えることなくバックグランド・ノイズを大幅に抑えることができます。これらの処理の効果はフロントパネルのアナライザーで確認することができます。
*MMカートリッジのみに対応します。またRIAAモードは、サンプルレート192 kHzまでのPCMモードで使用可能となり、DSDはサポートされていません。
外部機器と連携するトリガー・アウト
12 Vのトリガー・アウトは、多くの要望を受け新搭載された機能の一つです。トリガー・アウトは、3.5 mmモノラル・ジャック・プラグを介して12 Vのスイッチング信号を提供します。トリガー入力を備えた外部機器とつなぐことでADI-2/4 Pro SEに追従させ電源をオン/オフすることが可能となり、パワー・アンプなどの外部機器の電源をADI-2/4 Proの電源と連動して切り替える用途などに使用できます。
リスニング・ポイントから遠隔操作可能なリモート・コントロール
マルチ・リモート・コントローラー(MRC)には、スタンバイのオン/オフ、音量、L/Rバランス、ベース/トレブルのコントロール、入力選択(光デジタル、同軸、USB)、ミュート、ラウドネスのオン/オフ、ベース/トレブルのオン/オフ、EQ用のボタンが搭載され、さらに柔軟性を高めるために52の機能とコマンドにアクセスできる4つのプログラム可能なボタンを備えます。
高機能で便利なリモート・コントローラー(MRC)により、最適なリスニング・ポイントから立ち上がることなく手元で主要な操作を行い、音楽をお楽しみいただけます。
高性能テスト、計測、解析ツールDigiCheck搭載
RMEの非常に強力なデジタル・オーディオ用メーター / アナライザー / 測定ツールDigiCheckを利用頂けます。
これによりADI-2/4 Pro SEは、マスタリングやミキシング、レコーディング時の精密なオーディオ測定器としても利用可能です。
DigiCheckはハードウェア上で動作するPeak / RMSメーター、位相スコープ、ラウドネス・メーター、さらにはソフトウェアの仕様に依存せずに再生音を解析できるアナライザーといった機能が含まれています。入力信号に加え、再生データおよび、EQなどのDSP処理後の再生データもDigiCheckで確認できます*。
* Mac環境ではDigiCheckの機能に一部制限があります。なお、ADI-2/4 Pro SEのループバック機能を使用することにより再生データを確認できます。
測定用ハードウェア I/Oとして
オーディオ測定システムは高価ですが、近年ではソフトウェア・ベースの非常に安価なソリューションがポピュラーとなりました。しかしながらコンシューマー向けサウンドカードは、SN比、周波数応答、歪み値に限界があります。ADI-2 Proの開発にあたり、オーディオ測定ソフトウェアのハードウェア・フロントエンドとしての機能を備えることが、ADI-2 Proの開発目標の1つでした。測定を行うには、ADI-2 Proが極めて高い技術要件を満たす必要があります。
技術仕様に記載される優れた実測値は、ADI-2 Proが最も優れたハードウェア・フロントエンドであることの証明です。120 dBのダイナミック・レンジ、ハム・ノイズ・フリー、複数の基準レベル・サポート、極めて低ノイズの出力、非常に低いTHD値、バッテリー電源によるグランド・アイソレーションでの使用、信じられないほど小さな許容レベル、多様な操作と設定など、ADI-2/4 Pro SEは、音楽再生だけでなく測定においても、優れた性能を発揮します。
ループバック機能
ADI-2/4 Pro SEはアナログ出力のオーディオ信号をUSB録音チャンネルに戻すLoopback(ループバック)機能を搭載します。
これにより、コンピューター上のアプリケーションで再生されている音声をUSB経由で録音したり、Mac環境でEQなどのDSP処理後の再生データをオーディオ解析ツール「DigiCheck」で確認*することができます。
* Windwos環境ではループバックなしでDigiCheckで再生データを確認できます。
試聴環境に合わせて調整できるラウドネス機能
ラウドネス機能は、小さな音量でも低音から高音まで適切なバランスで音楽を聴けるようにする機能で、周波数と音量によって変化する人間の聴覚感度をEQで補正します。
多くのHiFi機器に搭載されるラウドネス機能は、予め設定されたラウドネス・ボタンをオン / オフしますが、ADI-2/4 Pro SEに搭載されるラウドネスは、ボリュームを下げるにつれ補正されるベースとトレブルの最大ゲイン値や、各ゲインが最大に達するボリューム値を設定できるため、お使いのオーディオ・システムや試聴環境に合わせて最適なラウドネス設定が行えます。
小さな音量で音楽を聴く時にADI-2/4 Pro SEのLoudnessをオンにすると、最初から機能していたのかと思うほど自然に音を楽しめます。
クロスフィード・エミュレーション
標準的なスピーカーのセットアップに近い音像でヘッドフォン・モニタリングを楽しみたいと思うユーザーの要望に応えるべく、ADI-2/4 Pro SEはクロスフィード機能を搭載しています。クロスフィードは、バウアー・バイノーラル理論により高音域のステレオ幅を5段階で調整可能です。スピーカーから出力することで適切なステレオ・イメージを作り出すアンビエンス成分は、ヘッドフォンで聴くとスピーカーとは異なる不自然なイメージで聴こえる場合がありますが、クロスフィード機能を使うことでより自然なアンビエンス感を得ることができます。