Droneは作曲家、サウンドデザイナー、ミュージシャンのために設計したクリエイティブなソフトウェア音源です。コンスタントに躍動するテクスチャーやアトモスフィアサウンドを生み出し、どこまでも深く、パワフルなローエンドの効いたアンビエンスから豊かでほのかに揺らめくエンバイロメントまで、幅広くカバーします。
デュアルレイヤーのサンプルシンセを装備し、長尺のものを含む特別に用意された数百のサンプルがIRCAMグラニュラーエンジンによって、深みと粒だちのある魅惑的なテクスチャーへと変貌します。さらにSwarm、Feedback Loop、Harmonicsなどの特別用意されたエフェクトが微細な味づけをします。そしてカスタマイズ可能なXYコントローラー、ChaosとLFOモジュレーターで動きが加わります。Droneは、無限の動きとバラエティに富んだ豊かで詳細なサウンド環境と効果音を生み出すために特別に設計されたフル機能を持ったツールです。
ワークフロー
高度のサウンドデザインツールであるDroneは、ユニゾン機能を備えたマルチレイヤーサンプル/グラニュラーシンセに、フィードバックループ、ハーモニックモジュレーター、手動およびオートメーション対応のパラメーターアニメーション、スタジオ品位のバスエフェクト、32ステップのゲートシーケンサー、トゥルーサラウンドサウンドエンジン*、ネイティブMPE対応、そして特別用意されたロングフォーマットのサンプルなどで構成されています。すべて、ドローンやサウンドスケープデザインのための設計と装備です。
プリセットからインスピレーションを引き出すのもよし、ご自身の描いたコンセプトからサウンドを構築していくのもよし、Droneの洗練された操作パネルは、感性の赴くまま扱うことができ、イメージを素早く具現化することを手助けします。
サウンドの探究
MAIN画面は付属のサンプルライブラリーを含めたプリセットブラウジングに最適です。そして大まかな操作や設定もここでおこなえます。準備ができましたら、EDIT、FX、MODULATION、SETTINGS画面でより深く、より詳細に整えていきます。
デュアルサンプル/グラニュラーエンジン
EDIT画面に切り替えると、Droneの核は完全独立したSource 1とSource 2の2つのレイヤーで構成されているのを知ることができます。ここにはXYパッド、LFO/Chaosモジュレーター、SwarmとFeedback Loopエフェクトも用意されています。500を超える付属サンプルをカテゴリーの中から見つけたり、ランダマイズボタンでアイディアを引き出したり、基礎となる響きを選びます。そして一般的なサンプル、もしくはIRCAMグラニュラーのエンジンを決め、音量、ピッチ、アタックとリリースを調整し、サウンドを整えていきます。
XYアニメーター
XYパッドは、手動によるサウンドアニメーションコントロールです。このツールはサウンドデザインやシネマティックな動きを加える際に有用です。Y軸は(FX画面の設定に従い)ボイスごとのエフェクトを操り、X軸はSource 1と2の混ざり具合を一般的なクロスフェードやフィルターモードを含め、様々な角度でコントロールします。
カオスモジュレーション
XYパッドの直下にはサウンドに動きを自動で加えるモジュレーターが用意されています。ここでは、ある程度予想のつくXY LFOモードとダイナミックで偶発要素の強いChaosモードを選ぶことが可能です。XY LFOモードは縦と横、それぞれにフルカスタマイズ可能のLFOが用意され、様々な波形、速度、深さ、単極/双極の範囲設定、そしてLFOの位相も調節できます。ChaosモードではXYポジションによって、速度と深さがランダムに設定され、想像以上の素敵な効果を引き出す際に便利です。
SWARMとFEEDBACK
Source 1とSource 2エディターの下には、特別効果のSwarmとFeedback Loopにアクセスが用意されています。Swarmは最大で8ボイス、4オクターブのピッチ範囲のユニゾンボイス効果を生み出します。Feedback Loopは、微細な無限フィードバックループにFrequency Shifting、Delay Time、Driveコントロールによって、時間経過と共に変化する深みのある響きを生み出します。
強力なスタジオエフェクト
FX画面はKeygroup Effects(上)とBus Effects(下)、2つのセクションで構成されます。Keygroupエフェクトは、画面上のXYパッドのY軸で、そのエフェクトレベルを操ることができます。ここにはDistortion、Harmonics、Filterの3つのエフェクトが用意され、矢印ボタン(<と>)でその順番変更がおこなえます。
Distortionはマルチモードタイプで、Tube、Tape、Fuzz-styleが選択できます。歪みの質感以外に入力と出力レベル、歪み量の設定が可能です。
Harmonicsは新設計のハーモニックモジュレーターで、倍音(I~VIII)ごとのゲインとLFOモジュレーション操作が可能です。ほんの少し歪みを加えるだけで、響きが劇的に変化します。
Filterは、ローパスとハイパスフィルターの切り替え式で、カットオフ周波数の調節が可能です。FX Modノブを上げることで、フィルター周波数をXYパッドのY軸で操ることができるようになります。
Bus Effectsには、Tape Delay(フィードバック、サチュレーション、ホストシンク対応)とSparkverb(3バンドディケイ コントロールを装備したUVIの誇る超低負荷のアルゴリズムリバーブ)、Bus Limiterが装備され、サウンド全体を彩ります。
ゲートシーケンサー
MOD画面では応用範囲の広いゲートシーケンサーにアクセスします。この最長32ステップのシーケンサーは、シーケンススピード、スムーズとモジュレーションの深さが独立して設定でき、フリーモードで走らせることも、リトリガーモードでノート入力と同期することも可能です。シーケンスプリセットも豊富に用意され、複雑なオリジナルシーケンス構築のお手本としても役立ちます。画面下には一般的なキーボードコントローラーで操作をするためのピッチベンドの深さとモジュレーションホイールマッピング設定も用意されています。
表現力の高いコントロールパラメーター
SETTINGS画面はProgram、MPE、Panの3セクションに分割されます。Programセクションでは発音数、ベロシティカーブの調節、ルートノート、ベロシティモジュレーション設定(Gain、Filter、Harmonics、Distortion)をおこなうことが可能です。MPEセクションではMPE対応コントローラー用のチャンネルとパラメーター軸:X(ピッチ範囲)YとZ(パラメーター)設定をおこないます。PANセクションは、音源のチャンネル構成(Stereo、Quad、5.1*)に従ったチャンネルごとの定位を設定します。
サウンドとデザイン
Droneの心臓部ではサンプルライブラリーは、UVIと著名サウンドデザイナーのNicolas Becker(Gravity、Arrival、Ex-Machinaなどの映画にクレジット)によるもので、Acoustic、Digital、Organic、Syntheticの4カテゴリーにまとめられています。
AcousticサウンドにはUVIのオーケストラサウンドとNicolas Beckerによるテルミンやウォーターフォン、クリスタルボウル、ベースギターを使用し、さらにEMTリバーブ、ベースアンプ、Space Echoなどで処理したサウンドが収録されています。
Digitalサウンドには、Max/MSPパッチによる音、ノイズサンプル、グリッヂ、チョップ、スローダウン、フローズン、あるいはデジタル技術によってグジャグジャにしたサウンドが数多くに用意されています。
Organicカテゴリーにはフィールドレコーディングした街の雑踏、自然、水中、アンビエンスなどのサウンドが用意され、中にはクロマチック演奏できるように半音階で調節したものも含まれています。
Syntheticサウンドは、Korg Radias、Access Virus Ti2、Black Corporation Deckard’s Dream、Schmidt Eight Voiceなどのシンセサイザーによるサウンドが用意されています。
80年代後半から90年代前半まで、様々な場面で活躍した2つのスタジオアイコンがいま、U1250となり、ビンテージデジタルの旨味を持つモダンインストゥルメントとして、新たな歴史を刻みます。