時代を越えたインスピレーション
クリアでありながら、音楽的な温かさを兼ね備えたデジタル・ディレイの名機Roland SDE-3000。心地よい揺らぎと広がりを加えるモジュレーション効果も相まって、1983年の登場以降多くの人々を魅了してきました。SDE-3は、その「ヴィンテージ・デジタル・ディレイ・サウンド」をコンパクト・ペダルに凝縮。手軽にペダルボードへ組み込むことができます。加えて、1つのディレイ・ペダルでは得られない立体的な音像やリズムをもたらす新たなOFFSET機能を搭載し、コンパクト・ペダルの枠を超えた音作りを実現します。
唯一無二のサウンドを凝縮
RolandのSDE-3000は1983年に登場したデジタル・ディレイです。そのサウンドは回路に用いられたいくつものアナログ・パーツによって、現在のデジタル・ディレイにはない個性を備えています。ヘッドアンプ部で僅かに加わる周波数特性の変化、ローパス・フィルター部で起きる磁気飽和がもたらす歪み、独特の三角波で形成されるモジュレーションのLFOなど、さまざまな要素によって生まれるクリアでありながら温かみのあるディレイ音。現代でも高く評価されるこの「ヴィンテージ・デジタル・ディレイ・サウンド」を、SDE-3はコンパクト・ペダルの筐体に凝縮しました。40年を越える時を経ても色あせることのない唯一無二のサウンドを、手軽にペダルボードに取り入れることが可能です。
コンパクトでも奥深いサウンドメイク
SDE-3はその唯一無二のサウンドを自在にあやつることができます。コンパクト・ペダルでありながら充実したパラメーター・ノブを搭載し、二軸ノブの上段では、ディレイ・ペダルの基本であるLEVEL、FEEDBACK、そしてTIMEを調節可能。オリジナルの特性を踏襲したモジュレーション効果は独立したDEPTHとRATEで細かくコントロールできます。HI CUTノブはディレイ音をよりアンサンブルへ馴染ませたり、Lo-Fiな印象を強めたりすることが可能です。80年代を象徴するクラシックなトーンからノスタルジックなチル・サウンドまで、SDE-3にしか出せない世界観を楽しみましょう。
魔法のOFFSET
SDE-3を特徴づけるものは、ヴィンテージ・デジタル・ディレイのサウンドだけではありません。OFFSET機能により、ノブを回すだけの簡単な操作でユニークな音作りが可能。主となるディレイ音にもう1つのディレイ音が追加されることで、本来1台のディレイ・ペダルでは成しえない、ギタリストのインスピレーションを刺激するサウンドを実現します。
立体的な空間を演出—OFFSETを1-100msの範囲で設定すると、メインのディレイ音に対してわずかにずれた2つ目のディレイ音が加わります。例えばTIMEノブが300ms、OFFSETノブが50msの設定では、300msと350msで2つのディレイ音を生成。ダブリング効果が生まれることで、奥行きあるディレイ音を楽しむことが可能です。SDE-3のモジュレーション効果もより大胆に、美しくかかります。
リズミカルにリピート—OFFSETノブはさらに付点8分音符と8分音符の設定に対応。TIMEノブが400ms、OFFSETノブが付点8分音符であれば、もう1つのディレイは300msで再生されます。異なるタイミングのディレイが混ざり合うことで、アクセントの効いたリズミカルなディレイ音を生み出すことが可能です。なお、付点8分と8分音符、その間の設定でも連続的にディレイ・タイムは変化するため、より複雑なリズムも構築できます。
ステレオ出力による多彩な音場を
SDE-3はステレオの入出力を搭載。OFFSET機能を用いればモノラルとステレオ、それぞれで異なる音場が得られます。ステレオ接続の場合は広がりのあるステレオ出力に加え、2つのアウトプットからディレイ音を交互に出力するパンニング・ディレイの設定も可能です。また、OUTPUT Aからウェット、OUTPUT Bからドライ・サウンドを独立して出力したり、ドライ・サウンドのみを完全にミュートしたりなど、高い汎用性も備えています。
現代にマッチした機能性
SDE-3は現代のディレイ・ペダルに求められる便利な機能も多数網羅。本体のペダルを長押しすれば、タップ・テンポでディレイ・タイムの設定が行えます。また、コントロールの拡張にも対応しており、外部フットスイッチを接続すれば、一定区間のディレイ音を持続させるHOLD機能も活用可能。持続音にあわせてソロ・フレーズも演奏できます。エクスプレッション・ペダルではパラメーターのリアルタイム・コントロールが行えるため、FEEDBACKをアサインしてディレイ音を発振させる等、パフォーマンスの幅が広がります。