Geminiは、120Vテクノロジーによる初のMid/Sideプロセッサーです。マスタリングにおいて、M/Sプロセッシングはミックスの個々の要素に的を絞ったアクセスを得る最良の方法です。
各機能のご紹介
M/Sプロセッシングとは?
ステレオ信号をミッド(ボイス、スネア、ベース…)とサイド(ギター、パッド、シンバル…)に分解することで、それぞれを別々に処理することができます。
センター信号(Mid)は、ステレオ信号の左右チャンネルの和(L+R)、つまりステレオ信号の「同位相」部分です。
サイド信号(Side)は、ステレオ信号(L-R)の左右チャンネルの差、つまりステレオ信号の「位相のずれた」部分です。
Geminiはステレオ画像の拡大・縮小にも使用できます。低域成分をサイドからミッドにシフトする楕円フィルターも搭載されています。
Mid
![](https://static.wixstatic.com/media/79267e_b14baa96366f4a7cba85aa73e6762789~mv2.jpg/v1/fill/w_1399,h_354,al_c,q_85,enc_avif,quality_auto/Gemini_black_front_MID.jpg)
M/S ボタンをアクティブにすると、入力信号(L/R ステレオ)がミッドとサイドに分割されます。
正確なセンターポジションはBalanceコントロールで、正確なレベルはTrimコントロールで調整できます。どちらの機能も、使用時のみ信号経路に入るように切り替え可能です。
ソロ機能をアクティブにすると、センターを排他的にモニターできます。
プロセッサーを挿入してミッド信号を処理し、Insertボタンでアクティブにすることができます。
Side
![](https://static.wixstatic.com/media/79267e_74690608d6344eef8f633f5436ecbca2~mv2.jpg/v1/fill/w_1213,h_359,al_c,q_85,enc_avif,quality_auto/Gemini_black_front_SIDE.jpg)
また、サイド・シグナルにはソロ機能と、外部処理用に切り替え可能なインサートがあります。
さらに、楕円フィルターを使用して、低域をサイドからミッドにシフトさせることができます。これにより、低域のパンチと精度が向上します。
Stereo Widthコントロールはサイド信号のレベルを変更し、レベルを上げるとステレオイメージが広がります。
これら2つの機能は、使用時のみ信号経路に入るようにスイッチを入れることもできます。
入出力端子とインサート端子
![](https://static.wixstatic.com/media/79267e_b1051830664f4dbca2560741ee4f3355~mv2.jpg/v1/fill/w_1897,h_370,al_c,q_85,enc_avif,quality_auto/Gemini_back_I_O.jpg)
すべてのインプットとアウトプット、センドとリターンはNeutrik XLRコネクターでバランス接続されています。
プロセッサーをインサートに接続し、外部処理を行うことも可能です。
特に興味深いのは、GeminiをHermesマスタリングルーターに統合したときの拡張性です。こうすることで、クラシックなL/RプロセッシングとM/Sプロセッシングを組み合わせたプロセッシング・チェーンを実現します。
Gemini & Hermes
![](https://static.wixstatic.com/media/79267e_e5f62ebe68b147eabd397427268e65fe~mv2.jpg/v1/fill/w_1960,h_768,al_c,q_85,usm_0.66_1.00_0.01,enc_avif,quality_auto/Gemini_Hermes-2560.jpg)
GeminiのM/Sエンコーダーとデコーダーのステージは、それぞれHermesのインサートに接続することができ、プロセッシングチェーン内に自由に配置することができます。
M/Sエンコーダーとデコーダーの間のチェーンにあるプロセッサーは、ミッド/サイド信号を処理します。これらのプロセッサーは、モノ・デバイスにすることも簡単です。
![](https://static.wixstatic.com/media/79267e_eae4a18d3cb342d6a1ff58de673ab085~mv2.jpg/v1/fill/w_1960,h_576,al_c,q_85,usm_0.66_1.00_0.01,enc_avif,quality_auto/Gemni-Routingkette.jpg)
例えば、処理位置3にM/Sエンコーダを配置し、処理位置4にイコライザを配置してミッド信号とサイド信号を別々に処理し、処理位置5にGeminiのM/Sデコーダステージを配置して再びL/Rステレオ信号を生成することも可能です(上図参照)。
コンプレッサーをM/S処理の追加デバイスとして使用する場合は、チェーン内の処理ポジション5に設定すればよく、それに応じてM/Sデコーダー・ステージも処理ポジション6に移動します。