誰も踏み入れたことのない斬新で独創的な技術を導入。これまでの電源タップには類を見ない切り口で、Platinum4-VP および 6-VP は企画開発され、ジョンがる隊長監修による「35 周年アニバーサリ+Jtuneジェイチューンモデル」となっています。
従来の電源タップは、各種使用部品への特殊素材採用や特殊メッキ、オリジナルの内部配線材採用などの他、筐体の素材や加工手段によって剛性化に伴う振動対策等を行い、音質コントロールがされてきました。市場的には既にやりつくした感があり、新たな技術導入は困難な状況にありました。
Platinum シリーズは上記事項を吟味しつつ、新技術の導入で革新をもたらすこととなります。
プリント基板による内部配線
電源タップと言えば大電流を扱うアクセサリです。それゆえ従来の電源タップはブスバーならびに純度(導電性)の高いケーブルや極太ケーブルが利用されてきました。
今回 KOJO TECHNOLOGY はここにメスを入れ、プリント基板による電力供給の手法を選択しています。
一般的にプリント基板は厚さ:35μm/幅:10mmで 10A の許容と言われている中、Platinum シリーズは厚さ:140μm/幅:37.5mm という実に 15倍にも及ぶ断面積で大容量化を実現。これは電源ケーブルの 5.5SQ(5.5mm2)に相当します。
また、パターンレイアウトはインレットから各コンセントへストレート配線。アースライン(G)は電源のニュートラルライン(N)とライブライン(L)でサンドイッチされ、電源ライン間の静電シールドを形成しています。
仮想アース技術の導入(ラインインピーダンスの低減)
Platinum シリーズにはこの仮想アース技術が導入され、電源タップ内の G ラインを強化すると共に電源ラインにも応用されています。導入された仮想アース技術はアルミ電解コンデンサ※1の電極表面積によるもので、N/L ラインおよび G ラインには、出力コンセント毎にそれぞれ 2 個の電解コンデンサを配置。
N/L ラインおよび G ラインは、いずれも 46,000cm2(Platinum4-VP)※2と広大な面積が確保されています。結果電源ラインの低インピーダンス化が図られ、よりスムーズな電力供給とノイズ抑制・耐量アップに大きく貢献しています。
KOJO TECHNOLOGY はこれについて検証を行っています。
一般的な電力ケーブルとして使用される KIV2.0(2SQ)に対し、PCB パターン(PCBN)ではインピーダンス低減が図られています。また仮想アース技術の導入により、インピーダンスが更に低減されることを実証(PCBNC8)しています。
※1 弊社仮想アース技術で利用されるアルミ電解コンデンサは、コンデンサ機能としての働きは一切ありません。
※2 Platinum6-VP は N/L ライン:69,000cm2 G ライン:81,000cm2
メーカー仮想アースの追加
Platinum シリーズ本体にはアース端子が装備されています。内部基板の G ラインおよび外装ケースに接続されており、2 極アース線付電源ケーブルのアース線接続先として有効活用でるのは勿論のこと、弊社仮想アースシリーズ(BOX 型、スティック型)を接続してシステムのアース(GND)を強化することができます。
また、出力コンセントに空きがある場合、コンセントプラグ型仮想アース:Crystal Eop-G を接続し強化することが可能です。
Mechanical Isolation System (M.I.S.)の採用
振動対策の一環として Platinum シリーズには M.I.S.(メカニカル・アイソレーション・システム)が採用されています。
Platinum シリーズは、トップカバー、メインボディ、ボトムカバーの他、内部にはサブシャーシが設けられています。サブシャーシにはインレットやコンセント、電力供給を担うプリン
ト基板の他、ほかすべての部品が取り付けられています。このユニット化されたサブシャーシはトップカバーに吊り下げられた構造となっており、その連結部には制振ワッシャとなる
M2052※3 を採用。外部(床など)から受ける振動を抑制しています。
上記構造から、サブシャーシユニットは連結部を除きすべての機構から完全にアイソレートされています。
※3 国立研究開発法人物質・材料研究機構[NIMS](旧:科学技術省材料研究所)が 1995 年に特許(特許番号:第 2849698号)を出願した合金。 Mn(マンガン)73% +Cu(銅)20%+Ni(ニッケル)5%+Fe(鉄)2 % からなる Mn ベースの合金で、振動負荷を受けた際、合金内に双晶活動(発生・消失・移動)が起こり、今までの合金にはみられなかった高い制振性を生むとされています。
様々な視点から吟味された筐体素材
Platinum シリーズの筐体は全て金属で構成されており、高い剛性や堅牢性を提供しています。トップカバーとボトムカバーは肉厚のアルミプレートを削り出しし、高い剛性のもと堅牢性を維持しています。ボディには比重の高いスチールが採用され設置時の安定感を約束します。
またボディとボトムカバー内面には高い制振性で知られるハネナイトが採用され、振動抑制に細心の注意が図られています。サブシャーシには M.I.S.構造に耐えられるようステンレス鋼が使われています。
上記にて構成される筐体は高いシールド効果も保有し、それらは静電シールドおよび電磁シールドとして作用します。
電源タップは電源の分配機能という面から高電圧、大電流を扱うことになります。
電圧あるところに静電誘導、電流流れるところに電磁誘導が発生します。全て金属で構成される Platinum シリーズは、高いシールド性能をもってノイズ抑制効果を発揮します。
Platinum シリーズには更に磁気シールド作用があります。50/60Hz で供給される電源は極低周波と言われ、電磁誘導によって磁界を発生させています。比較的高い周波数であれば非鉄金属(アルミ、銅など)でも効果を発揮しますが、極低周波においては磁性体である必要があります。
Platinum シリーズは前述のようにボディ部分にスチール材が採用されており、静電、電磁シールドと共に磁気シールドの役割も担っています。またサブシャーシにはステンレス材が採用されていますが、クロムが含有されたフェライト系ステンレス鋼素材となっており磁性体です。これらにより Platinum シリーズはボトム面を除く 5方向に対して磁気シールド作用が機能します。
オーディオにおいて磁性体は時として邪魔者扱いされますが、弊社はその利用方法によるものと理解しています。この絶妙なバランスが保たれたときブレークスルーは生まれます。
高性能なパーツ群
■インレットおよびコンセント
電源タップの利用による不用意なカラーリングを避けるため、インレットには銅合金錫メッキ、コンセントには銅合金ニッケルメッキを採用しています。
インレットはプリント基板直付けとなることから、繰り返し行われる電源ケーブルの挿抜において機械的な負荷が加わります。Platinum シリーズではインレットがサブシャーシにもネジ止めされており、一般的な電源タップと同等あるいはそれ以上に強固なものになっています。
コンセントには医療関連で定評高い明工社製ホスピタルグレードを採用。プラグ挿入時のホールド性を高め、安定した接続と低接触抵抗を約束します。
■アルミ電解コンデンサ※1
導体表面積の拡大(仮想アース技術)を担うアルミ電解コンデンサには、弊社初となる SMT(表面実装)タイプを採用。リード配線を極短化することで、高周波におけるインダクタンス成分の増加を抑制しています。
■インシュレータ
Platinum シリーズには専用のインシュレータ※4が準備(付属)されています。富士山をモチーフにデザインされたステンレス製インシュレータは、その山頂部がボトムカバーとの接触面を低減。更にインシュレータ底面には制振シートのハネナイトが採用されており、電源タップ本体に伝達される床面からの振動を抑制します。
※4 インシュレータ 4 個のほか、取付ネジ 4 個と取付工具 1 個が付属。またインシュレータは 4 点止めまたは 3 点止めが可能です。
高いユーザビリティ
Platinum シリーズには 4 口のコンセントを装備した Platinum4-VP と 6 口のコンセントを装備した Platinum6-VP の 2 ラインアップで構成され、システムの大小に応じて選択することが可能です。
コンセントの配置は、様々なサイズの AC アダプタ接続に対応するため、十分な間隔が設けられています。これにより互いの物理的干渉を避けると共に、無用なコンセントの塞ぎを防止することが可能になっています。
コンセントを無駄にすることなくユーザビリティに富んだモデルになっています。
デザイン
貴金属のプラチナからイメージする印象は「高級」「純粋」「洗練」などでしょうか。KOJOTECHNOLOGY が提供する Platinum シリーズはまさにここにあります。
これまでの電源タップには見ないキラリと光る意匠!トップカバーには従来シルク印刷で表示されていた N 極やアースマークを取り止め、Platinum という称号と KOJO TECHNOLOGYのブランド名のみをレーザ刻印。
トップカバーおよびボトムカバーの表面処理は、サンドブラスト加工にアルマイト処理が施されており、嫌みのない落ち着きがシンプルでありながら優美さを兼ね備えています。
またトップカバーから排除された N 極とアース極のマークは、トップカバーのアイコンチックなコンセント窓から覗く鏡面仕上げサブシャーシへ移行。平面的なデザインになりがちな電源タッ
プに対し、機能的な理由から採用された M.I.S.と相まって奥行きのある立体的なデザインとなっています。
ボディはクールグレイと称されるホワイト系梨地マット色で塗装され、純粋さを醸し出しています。
振動抑制のために本体隅に設けられた専用インシュレータもまた、本体の安定性を向上させると共にデザイン的な安定性をもたらしています。
Platinum シリーズは機能美と洗練された高級感溢れるデザインに仕上げられ、35th アニバーサリモデルに相応しいプラチナムな製品と言えます。
音質傾向(没入型電源アクセサリ)
近年 KOJO TECHNOLOGY が注力してきた仮想アースは、その音質効果がステレオ領域を超えた領域(立体的音場)に達するものとして「2ch 超越ゾーン突入」というキャッチコピーが話題となりました。
オーディオファイルにとってステレオ再生における立体的音場の再現はまさに醍醐味です。
Platinum シリーズが提供する音質効果はついにそのゾーンをも突破!いよいよ没入世代へと移行します。
この没入型電源タップは立体的音場を再現するツールのひとつであり、更にそれを獲得したうえでの音楽鑑賞は、まさに没頭を表し没入へと誘ってくれます。
今度は「ゾーン突破!没入型アクセサリ」です。