500シリーズ用インダクターEQ
551 は由緒ある Rupert Neve 氏のクラッシックデザインを継承するにとどまらず、過去の設計上の妥協点を払拭し、モダンな機能を融合させた3バンドEQを500シリーズ規格に収めたものです。カスタム巻きのトランスフォーマーとインダクター、クラスAのゲインブロックで構成される 551 はパワフルで厚みのある低域と心地良い高域をもたらします – Rupert 氏の現在進行形クラシックサウンドを備える最初の500シリーズEQモジュールです。
ザ・ベスト・オブ・EQ
3バンド、カスタムタップのインダクターEQを装備した 551 は、Rupert 氏のビンテージEQの設計を RND でさらに進化させたものです。バスバンド(LF)はシェルビングとピークの切り替えが可能で、パンチの効いた奥行きのある、的確なローエンドのコントロールを実現しています。インダクターEQであるミドルバンド(MF)は、ボーカルや楽器に心地よさを与えつつ、ミックスの中でより前面に押し出す際に最適です。そしてこのEQの帯域幅(Q)はソースの中で目的の(あるいは問題となる)周波数帯域を的確に処理します。トレブルバンド(HF)はモダンとビンテージのハイブリッド設計になっています。インダクター回路とコンデンサーベースの設計理論を融合させることで、ビンテージトーンと幅広いコントロールを実現しています。ハイパスフィルター(HPF)は 12 dB/oct のカーブで 80 Hz 以下の帯域のカットに使用します。バスバンドEQと併用することで、ソース素材を濁らせることなく、ローエンドに存在感を与えることが可能です。
551 は Rupert 氏の最も知られたクラシックデザインを受け継ぎ、どのEQセクションにおいても低フィードバックのクラスAディクリート回路が使われ、余分なノイズや脚色の発生を防ぎ、大胆なサウンドシェイピングを施した際の不快さを生む要素を排除します。さまざまな技術革新と最新の電子工学により、35年前には不可能であった点を改善し、非常に現代的な設計が施されています – そう、これは決してビンテージのクローンではなく、伝統の継承と言うべきでしょう。
高域と低域のバンドはシェルビングとピークの切り替えが可能で、15 dB のブースト/カットが行えます。高域の周波数は 8 kHz と16 kHz、低域は 35 Hz、60 Hz、100 Hz、220 Hz に設定できます。インダクターをベースにした中域は 200 Hz、350 Hz、700 Hz、1.5 kHz、3 kHz と 6 kHz を中心周波数として設定できます。そしてミッドハイQでフィルターのバンド幅を変えることも可能です。
Rupert Neve 氏が設計した500シリーズモジュール
「実用的な500シリーズモジュールを開発することはそんなに難しいものではなかったのですが、電流、電圧、スペースの制約上、500シリーズ以外の製品の品質と同等になるよう設計をすることはちょっとした挑戦でした。
私たちは、この500シリーズを納得のいくレベルで完成させるために、数々のトランスフォーマーや回路設計を試しました。結果、ヘッドルームに関してはやむを得ない妥協も少しばかり強いられましたが、通常の Portico シリーズと比較してもほぼ遜色ないレベルの存在感と心地よさを実現した500シリーズが生まれました。
これは近年のハイクォリティースタジオに最適で、そのサウンドとともに利便性とスペースファクターがもたらす恩恵をすぐに実感することができるでしょう。」
– Rupert Neve
551 の音質は、直流電気の分離、1層片面の基板回路とグランドノイズ問題から解放された設計によって保証されています。つまりはユニットを通すだけで、多くの信号ソースクォリティーを改善、あるいは心地良い結果をもたらします。とくにデジタルドメインのソースではその効果は絶大と言っていいでしょう。この高い透明度と安定したサウンドの個性は、35~40年前からずっと変わらない Rupert Neve 氏が設計した機器に共通するものです。そしてこのEQは本物のビンテージ魂を宿しています。