シリーズの新たなベンチマークとなる、2.5wayモニター
Shape Twinは、Shapeシリーズの旗手となるモニタースピーカーです。二つのパッシブ・ラジエーターとFlaxコーン・ウーファー、そして最新の”M”シェイプ ・アルミニウム/マグネシウム ・インバーテッド・ドームを採用するツイーターを搭載し、音響制作にたずさわるすべてのプロフェッショナルにとって最高の武器となることでしょう。
指向性の柔らかなツイーターにより、多様なリスニング・ポジションに対応
Focal独自の’M’シェイプ・インバーテッド・ドーム・ツイーターにより、従来のインバーテッド・ドーム・ツイーターに比べ指向性がさらに緩やかになり、より柔軟なリスニング・ポジションに対応。’M’シェイプのドーム形状はツイーターに高い剛性を持たせることができ、これにより歪みを抑えることに成功しました。独特なホーン型のハウジングは単なるデザインではなく、垂直・水平いずれの方向にも等しい指向性を保つためのものです。
バスレフポートを排したクローズド・デザインと、2つのパッシブ・ラジエーター
多くのスピーカーが採用しているバス・レフレックス(バスレフ)方式。スピーカーの内部に空気の通り道を持たせ、低域を増強させて安定感を高める方式、これは土管の中で声を出すと、低域が強調されて聞こえることと同じ原理を用いたものですが、スピーカーユニットの表面積に見合った長さを確保する必要があり、筐体の大きさやデザインに大きく関わるだけでなく、シビアな設置環境が求められます。ミックスするためにゼロから作られた商用のスタジオや、音響対策が施されたプロジェクトスタジオではない部屋で、バスレフ方式のスピーカーはどれほど真価を発揮できているでしょうか。
Shapeシリーズはバスレフポートを排し、両サイドに特徴的なパッシブ・ラジエーターを搭載。スピーカーの背後、左右にスペースを確保できない設置でも、高い解像度を保った低域を再現します。まさに、プライベートスタジオにとって最高のモニターシステムといえます。
2.5チャンネル構成により、低域から中低域まで理想的な制動性を実現
全帯域を低域・高域の2つに分ける2Way方式。しかし、低域はよりスピーカーのコーンを振動させ、音量に応じて正しい再現が難しくなります。Focal Shape Twinはプロジェクトスタジオにおける正しいモニタリングを実現するため、低域から中低域を再生するためのスピーカーユニットを2つ搭載。理想的な制動性を実現し、いかなる音量でも正しいモニタリングを可能にします。
設置を考慮した数多くのセッティングへの最適化
スピーカースタンドへの設置、デスクへの設置。スピーカーには様々な設置が考えられます。Shape Twinの底面にはスピーカーの角度を微調整する角度調整用のスパイクを搭載。このスパイクは角度の調整だけではなく、スピーカーが隣接するスタンドやデスクへの振動を削減する役割も果たします。
フラックス(亜麻繊維)サンドイッチ・コーンによる制動感のある正確な低域、自然な中低域ときめ細かな中高域
Shapeシリーズを目にしたとき、特徴的なのは左右のパッシブ・ラジエーターや独特な形状のツイーターだけではなく、見慣れないウーハーの材質でしょう。Shapeシリーズが採用している”フラックス(F)コーン”は、優れた内部ダンピング特性と素早い反応、そして弯曲剛性に優れており、ダイアフラムのパフォーマンスに求められる重要なファクターを満たしています。これは、高品質な亜麻繊維コアを二つのグラスファイバー・レイヤーで挟む複合素材によって得ることができました。
複合素材は、剛性と低密度が同時に求められる製造業においては理想的な特性を出しやすい一方、ダンピング特性に劣り、振動のコントロール性能は低いというのが一般的な見解でしょう。しかし、Shapeシリーズが採用している複合素材と自然繊維を組み合わせた技術開発により、開発スタッフも驚くほどの理想的な特性を得ることができました。亜麻繊維から作られたフラックス・ファイバーは、ガラスやケブラー繊維、アルミにくらべ何倍もの素晴らしい内部ダンピング特性を備えています。
メイド・イン・フランス
Shapeシリーズが採用しているFコーンは、フランス製の亜麻繊維を用い、設計から製造までフランスで行われています。フランスは欧州における亜麻糸の主要生産地。主にはフランダース、ピカルディ、ノルマンディ、そしてパ・ド・カレーといった地方で生産されています。フランス製の亜麻繊維こそ、世界一と言ってもいいでしょう。
従来のスピーカーの多くが採用している石油化学素材を原料とする合成繊維やフォームは、急激な原油価格の上昇に影響を受けやすく、これらは価格の上昇の要因となります。ハードウェアである以上、製品の改良などが一切なくとも、パーツの価格高騰によって値上がりしてしまうということは起こりうることです。Shapeシリーズが採用する亜麻繊維のようなオーガニック/エコロジカルな繊維素材はそういった影響を受けにくく、コンポーネントによって価格が上昇することを最小限に抑えることができました。長年に渡る技術開発と最適な素材、これによりShapeシリーズは、上の価格帯のハイエンド製品とも肩を並べる製品となりました。