『MANTIS』は、70年代のヴィンテージBBD(Bucket Brigade Device:バケツリレー素子)ディレイ/エコーを再現するプラグイン・エフェクトです。4つのタップと4つのスウェルセレクターを持つエコー/ディレイプラグインで、「rotafaze」セクションと呼ばれるテープエコーのワウ/フラッターを模倣したり、本機をユニークなコーラスディレイに変えることができるモジュレーションを搭載しています。
本製品は短く正確なディレイを連想させるTDA1022チップを8個搭載しており、このチップはアナログスラップバックエコーに最適です。基本のディレイタイムはハードウェア上で固定されていますが、「ビンテージ」モードでは、0.512msから51.2msまでの範囲で設定できます。BBD回路では、自由に設定できるベースディレイによって周波数特性が変化し、DAWのテンポに同期できる「モダン」モードも搭載しています。
70年代初頭に製造されたCarlsbro Mantisは、商業音楽で用いられたBBDエコー/ディレイ・ユニットの中でも初期のもので、あまり一般的ではなかったものと考えられています。多くのBBDエコー/ディレイと同様に、暖かく独特のダークなサウンドが特徴です。
BBDベースのディレイはいくつかの制限はあるものの、かさばる上に壊れやすいテープエコーに代わる良い選択肢でした。
Carlsbro Mantisはディレイタイムが固定されていましたが、各BBDのトリマーを開いてチューニングすることで調整することが可能でした。
BBD(Bucket Brigade Device)技術は、1969年にフィリップス研究所のF.サングスターとK.ティアによって開発されました。
BBDは、バケツリレーがバケツの水を渡すように、アナログ信号を離散的なステップでチェーンに渡す一連のコンデンサであることから名付けられました。
クロック・レートは、信号がコンデンサの連鎖を通過する速度を決定するものです。コンデンサーは多少の漏れ電流が発生することがあります。その結果、チェーンの新しいコンデンサーが前のコンデンサーよりわずかに少ない信号を受け取り、情報が徐々に失われていきます。その結果遅延時間が長くなると、繰り返しのたびに信号が歪んで暗くなります。