Artemis(アルテミス)は、伝統的なアナログ・シンセシスと革新的なデジタル・エフェクトを組み合わせた6ボイスのポリフォニック・アナログシンセサイザーです。Dreadboxが長年にわたり培ってきた高品位なアナログ回路を基盤に、Sinevibes社とのコラボレーションにより誕生した豊かなステレオ・エフェクトを搭載。繊細な倍音変化から過激な変調まで、多彩な音色を有機的に編み上げ、あなたのインスピレーションを解き放ちます。
古の時代、アルテミスは狩猟と野生を司る女神として知られていました。
銀の弓を手に、放たれる矢は一度として的を外すことはありませんでした。慈悲と正義の象徴でありながら、彼女が愛する森と自然を守る姿勢は、時に烈火の如く厳しいものでした。自然を敬う者にはその加護が与えられ、軽んじる者には容赦ない裁きが下されたのです。
今もなお、月の銀光に照らされた森の奥深くを、アルテミスは静かに彷徨っていると言われています。
彼女のあとには、忠実なニンフたちが静かに付き従います。
もし自然への敬意を胸に、森の中を歩むなら——弓を携えた彼女の姿が、ふと木々のあいだから現れるかもしれません。
音もなく、風のように森をすべるその影が。
鋭い矢の如く、強烈に変化する 6 つのボイス
Artemis は、1 ボイスあたり 2 基の VCO を搭載した 6 ボイス・アナログ・シンセサイザーです。各 VCO では波形の連続的なが可能で、スムーズな波形変化やブレンディングを実現。また、オーディオソースとしてサブオシレーターやノイズも備えるため、低域の厚みを追加したりテクスチャの調整が可能です。
プレイモードは POLY / TRI / DUO / UNISON / MONO の 5 種類を切り替え可能。6 ボイスの独立発音による和音演奏から、全ボイスをひとつのノートに重ねた分厚いユニゾンサウンドまで、状況に応じたボイス構成が選べます。
VCO や VCF、WAVE、PW(パルス幅)といった各セクションには、クロス・モジュレーション機能が用意されています。これにより、オシレーター間の相互変調による鋭く、野性味ある音のうねりを生み出すことができます。
月夜に照らされた、優美なエフェクト
Typhon でもコラボレーションした、Sinevibes 社のエフェクト・エンジンを搭載。ディストーション、モジュレーション、ディレイ、リバーブの4つのエフェクト・スロットはすべて独立しており、それぞれ多彩なアルゴリズムと直感的なスライダー操作に対応しています。
各エフェクト・タイプは、専用ボタンを押すだけで即座に切り替え可能。空気をざらつかせる歪みから、揺らめく残響、粒子のように舞う反射音まで——まるで月明かりに導かれ、音の森を彷徨うような没入体験へと、あなたを誘います。
各スロットには最大15種以上のアルゴリズムを収録。ディストーションには、波形折り返しやビットクラッシャーを含む多彩な歪みを備え、リバーブにはグラニュラー系のCloudやShimmerといった空間系アルゴリズムを搭載。エフェクトの各パラメーターは、モジュレーション・ソースからも個別に制御可能です。
MPE、アルペジエーター・シーケンサーによる自動演奏、配慮の深いシステム
Artemisの音源はMPEに対応します。これにより、ひとつのコードの中でも、ある音だけにピッチベンドやフィルター変化を加えるといった、かつては不可能だった”ニュアンス”の演奏が、指先の動きだけで実現できます。
各パラメータは、モジュレーション・マトリクスの様に、CCやアフタータッチ、ポリ・アフタータッチなどにすぐに割り当てることができます。
アルペジエーターとシーケンサーはどちらも強力な機能を持ち、6モードの演奏スタイル、確率(Probability)による変化、スウィング、ゲート長、最大64ステップ対応といった多彩なパラメーターを搭載。外部 MIDI クロックとの完全同期も可能で、他の機材との連携にも優れています。
また、VCA ボタンを長押しして点滅させれば、フィルターとアンプ両方にエンベロープを同時に適用できる「シフト機能」としても活用可能。操作性にも細やかな配慮がなされており、USB経由でのプリセットのバックアップやバンク管理も、専用ソフトウェア不要で手軽に行えます。