Fairchild Model 670はオリジナルのFairchild 670のクラシックなサウンドを現代のプロデューサーやオーディオエンジニアに提供するために忠実に再現された真空管コンプレッサーリミッターです。
他の復刻版とは異なり、この新しいFairchild Model 670はオリジナルに忠実です。
同じ真空管と、オリジナルの仕様に合わせて構築されたカスタムトランスを使用しています。その他のアーキテクチャについても、ポイント・ツー・ポイントのはんだ付けやタレットスタイルの構造など、1959年にレスポールの要請でRein Narmaによって製造・設計されたオリジナルの670を唯一完全に再現したものとなっています。
デュアルチャンネル設計と独自のコンプレッションにより、あらゆるオーディオ信号に暖かさ、深み、キャラクターを加えることができます。
Fairchild Model 670で使用されている真空管技術はコンプレッションサウンドに自然で有機的な品質を加え、オーディオ専門家から高く評価される豊かでダイナミックなサウンドを提供します。
FAIRCHILD 670 の歴史
FAIRCHILD 670は1959年にその前身である660のステレオ版として発売されました。エストニア出身のエンジニア『レイン・ナーマ』によって開発されたこの画期的なリミッターは6Uの筐体、20本の真空管、11個ものトランス、総重量30キロという重さです。ホーリーグレイル(聖杯=至高の機材)とも呼ばれるこの真空管式リミッターは約1000台が市場に販売されました。主にレコードカッティングのリミッターとして使われましたが1960年以降はその音楽的な特性からレコーディングにも積極的に使われるようになりました。特に1964年以降のビートルズのボーカルレコーディングに於いてほとんどのケースで使用されています。
設計者のレイン・ナーマ氏はあのレス・ポール氏の世界初のマルチトラックレコーダー『AMPEX5258』の改良や、gothan audioでのU47の改造、そしてレス・ポール氏のスタジオの真空管式のメインコンソールを作ったことでも有名です。そのナーマ氏の渾身の作がFAIRCHILD 660/670でした。その音の素晴らしさについてはここで新たに言及するまでもないでしょう。