1. ステレオからイマーシブまで、
モニタリングをフィジカル・コントロール
拡張性豊かなSAM(Smart Active Monitor)システムの管理
9320Aは、GLM™(Genelec Loudspeaker Manager)ソフトウェアの主要機能を直感的にかつ素早くコントロールできる、フィジカル・ユーザー・インターフェースを備えます。ワークフローを効率化し、GLMソフトウェアの画面を見ることなく操作できるため、DAWでの作業に集中できます。
同じ空間で複数のモニタリング・システムを簡単に管理
9320AではGLMの機能を指先で直感的に操作し、SAMシステムのモニタリング・レイアウトの切り替えや管理を素早く操作できます。また、直接接続したステレオ・モニタリング・システムのレベル調整や基本的なコントロールも行うことができます。9320Aによってモニタリング方法の切り替えがこれまで以上に簡単になることで、信頼性の高いモニタリングを実現します。あらゆるDAWとオーディオ・インターフェースのシステムで使用でき、GLMと組み合わせることで無制限のチャンネル数をSAMシステムで取り扱うことも可能です。また、本体に備えるAES/EBU入力やアナログ入力を使うことで、ステレオ・スピーカー・システムを簡単に追加できます。
スピーカーとヘッドホンのモニタリングを
ボタンひとつでインテリジェントに切り替え
9320Aは、ヘッドホン・レベルの調整も可能です。スピーカーに合わせてヘッドホン・レベルを調整することで、出力レベルを保ちながらモニタリング・システムを切り替えることができます。切り替えの度にレベルを調整する必要がなくなるため、よりスムースで快適なモニタリングが行えます。
2. 忠実な信号経路を実現するAES/EBU接続
多目的に使える入出力オプション
9320AはアナログおよびAES/EBU入出力を備え、ステレオ(またはステレオおよびサブウーファー)・モニタリング・システムを本体に直接接続できます。また、コンピューターからハイ・レゾリューションなステレオ・オーディオ信号を出力できるUSBインターフェース機能も備えます。9320Aは、「SAM」モードでの固定レベルのライン出力のほか、本体で出力レベルを調整することも可能です。いずれのモードもバランス・アナログ出力およびAES出力に対応し、あらゆるプロ用スピーカーやヘッドホンで使用できます。
高品質DACによる変換
9320Aは、高品質コンバーターとしても利用できます。コンピューターからのUSBオーディオ入力をアナログまたはAES/EBU出力に変換できるだけでなく、本体のアナログ入力からAES出力へ、AES入力からアナログ出力への変換にも対応します。様々な用途に使用できるため、プロフェッショナルなモニタリング作業のハブとして便利に活用できます。アナログ・バランス・ライン入力の最大入力レベルは、+12dBu または +24dBu に設定可能です。USBオーディオおよびAESデジタル・オーディオ入力からAESデジタル出力への変換は、138dBのダイナミック・レンジ(A特性)を実現します。
3. リファレンス・グレードのヘッドホン出力
プロフェッショナル・ヘッドホン・モニタリング
9320Aはパーソナルなヘッドホン特性のキャリブレーションに対応し、リファレンス・レベルのリスニング体験を提供します。ヘッドホン出力は16~600Ωまでのヘッドホン・インピーダンスに対応し、優れたリニアリティ(THD+N -110dB未満)とダイナミック・レンジ(126dB)を実現。最大RMS出力は6Vで、高品質プロフェッショナル・ヘッドホンのパフォーマンスを最大限に引き出します。
Aural ID™ テクノロジーによる正確なヘッドホン・モニタリング
Aural IDテクノロジーは、ユーザー独自のHRTF(頭部伝達関数)データを取得・利用することで、仮想的なスピーカー・ポジションと頭の外で再生されているかのような音像をヘッドホンで再現し、信頼性の高いステレオ、マルチチャンネル、イマーシブ・モニタリング・レイアウトをプロフェッショナル・ヘッドホンで実現します。9320Aのヘッドホン出力と完璧に統合したAural IDは、最高水準のヘッドホン・モニタリングを実現します。
4. GLMによるスピーカー・キャリブレーションおよびリスニング・レベルの整合
GLM AutoCal™ オート・キャリブレーション
GLMソフトウェアは、SAM(Genelec Smart Active)モニタリング・システムと連携し、正確にキャリブレートされたスピーカー(サブウーファーのキャリブレーションにも対応)によるニュートラルなオーディオ再生を実現。また、システムの詳細な測定データや改善のための提案が得られるGRADE™レポートも利用できます。9320Aには、GLM測定用リファレンス・マイクロホンが付属します。
あらゆるモニタリング・レベルを整合
9320Aは、あらゆるレイアウトに対応したスピーカー・ベースのモニタリングとヘッドホン・ベースのモニタリングにおける再生レベルを整合できます。これにより、スピーカーとヘッドホンによるモニタリングを、極めてシームレスに切り替えることが可能です。
5. セーフ・リスニング – 騒音量の推定
モニタリング時の聴力保護
本体のバックライト付きディスプレイに表示されるA、C、Z特性のSPL(音圧レベル)連続モニタリング機能により、リスニングの安全性を素早く確認できます。音圧レベルは、スピーカー・モニタリングの場合は付属のリファレンス・マイクロホンでサンプルされ、ヘッドホン・モニタリングの場合はヘッドホンの感度データから算出されます。オーディオ・エンジニアの音響暴露量が記録されることで、聴覚への安全性を警告するアラームを簡単に設定できます。これらに加え、聴覚疲労を最小限に抑える高度なリニア・モニタリング・システムを作成でき、聴覚を確実に保護します。