GRACE designマイクプリアンプ開発の歴史
米国コロラド州のGRACE design社が誇るトランスペアレントな音質のマイクプリアンプは、約30年以上にわたって世界中のプロフェッショナルなレコーディングスタジオに導入され続けている定番です。
GRACE designが一貫して追求している「オーディオ・グレード」は、創業以来まったくブレることなく常に進化し続けています。 それは、「パフォーマンス」を正確に、芸術性を一切失うことなく伝えられることであり、そのために余計な色付けを一切排除し、忠実なサウンドに徹しています。このシンプルかつ最も難しい課題に挑戦し続け、彼らは長年にわたり新製品を開発するたびにその音質をブラッシュアップし続けてきたのです。
スタジオレコーディングの現場や、クラシック音楽の録音現場、さらにはグラミー賞中継などの重要な現場で、GRACE designのマイクプリアンプが多く使用されている最大の理由は、演奏やパフォーマンスの臨場感を最もクリアーに正直さをもって伝えられるからです。
マイクプリアンプには、トランスフォーマーや真空管を利用してあえて倍音を加えサウンドをエンハンスするようなタイプもありますが、GRACE designのスタジオ・マイクプリアンプの設計はその真逆です。トランスフォーマーレス、カレントフィードバック方式のアンプ設計など、音の立ち上がりから消え際まで、生楽器や声のアコースティックな響きを、ありのままにパーフェクトに表現するための特別なデザインになっています。
GRACE design社の製品開発コンセプトやマイクプリアンプ設計のアプローチについては、以下の記事が詳しいので是非ご一読ください。
https://umbrella-company.jp/contents/grace-design-concept/
https://umbrella-company.jp/contents/gracedesign-technical-discussion/
スタジオ向けのラックマウント機材を製作してきたGRACE design社ですが、2015年に初となるアコースティック楽器専用のペダル型のプリアンプを発売開始します。このFELiXはGRACE designが長年開発してきたマイクプリアンプを搭載し、ピックアップを搭載したアコースティックギター、または楽器にクリップオンする小型マイクロホンなどをブレンドしてミキサーへと送出することができる画期的な製品でした。アコースティックギターやバイオリンなどの生楽器の演奏者は、その楽器自体の固有の鳴りやアコースティック、弦の立ち上がりや残響など、自分自身が常に聞いている生の響きをステージで再現したい場合が多いため、レコーディング品位のハイエンド・プリアンプは瞬く間に多くのユーザーを獲得しました。FELiXはピックアップやミニチュアマイクを使用するどんなアコースティック楽器にも最適だったため、アップライトベースやバンジョー、マンドリン、チェロなど、従来の簡易的なプリアンプのサウンドに不満だった様々な演奏者の足元に導入されました。もちろん単純なDIボックスとしての性能にも優れており、2つのチャンネルのA/B切替も可能だったため、エレクトリックベースのDIシステムとしての導入も多くなりました。
翌年の2016年には、デュアルチャンネルは必要ないというユーザーのためにシングルチャンネル仕様のALiXが、2017年にはよりシンプルでペダルボードにもセットアップできる(9V電源) BiXもラインナップに加わりました。
さらに2023年に発売開始されたREXとROXiは、ギターエフェクターをインサートできるペダル型のマイクプリアンプという新しいスタイルを提案しました。
自宅ではGRACE designならではの表現性の高いマイクプリアンプを、ボーカルや生楽器を収音するためのレコーディング用のマイクプリアンプとして利用し、ステージではPAミキサーへ高品位なサウンドを送出するハイエンドなフロアー型プリアンプとして使用することができます。
さらにREXやROXiを利用すれば、ギター用のエフェクターをシグナルチェーンにインサートする事ができるようになります。ボーカルにディレイやリバーブ、コーラスなどのエフェクターをかけたり、ファズで過激に歪ませたり、さらにはMOODなどの新機軸の空間系ペダルで聞いたことの無いようなパフォーマンスを行うこともできるようになるでしょう。さらにはサックスなどの管楽器にワウペダルをインサートしたり、バイオリンにコーラス、ハーモニカにフランジャー、アコギにコンプやリバーブなど、ギターペダルを音声ラインにインサートできる利点やアイデアがたくさんあります!
マイクプリアンプやミキサーでギター用のエフェクターをインサートしたい場合、レベルとインピーダンスを正しくマッチングさせる必要があり、特別なインターフェース機器が必要です。無理やり接続してしまうとS/Nが極端に悪くなったり、意図せぬ音質劣化が起こってしまうので、必ず正しくギターペダルをインサートする必要がありますが、そのような機能に特化したインターフェース機器はほとんどないのが実際のところ。GRACE design REXとROXiは高品位なスタジオ・マイクプリアンプを搭載しているという利点の他にも、ギターペダルをインサートできるという特別な機能を備えており、これが多くのユーザーに導入されている理由にもなっています。
ROXiには楽器用のフォン入力も装備されているため、アコースティック楽器に搭載されたピックアップの出力も接続することができます。つまりピエゾやマグネティックピックアップの信号をROXiで増幅して、ギター用のペダル・エフェクターをかけてミキサーへ送る事も可能になります。
REXにはマイク入力しかないため、ピックアップの楽器出力を接続する事ができません。しかしマイク用のXLR入力に接続でき、48Vのファンタム電源でジャック内のプリアンプ回路を動作させるDI-SNAKEを使用する事で楽器ピックアップの出力を接続できるようになります。GRACE design REX + Umbrella Company DI-Snake バンドルをお買い求めください。