フィル・コリンズは、世界的ヒット曲「 In the Air Tonight 」にて爆発的ともいえるドラム・サウンドを録音し、歴史にその名を刻みました。収録ルームの石壁による独特な残響、さらにハードに圧縮されたサウンドは、80年代を代表するドラム・サウンドといえるでしょう。ピーター・ガブリエルの「Intruder」をはじめ、多くのヒット曲で使用された、ヘビー・リバーブとマッシブ・コンプレッションのコンビネーションは、それ以降の音楽に多大な影響を与えることになりました。
フィル・コリンズが在籍するプログレッシブ・ロック・バンドのジェネシスは、ホーム・スタジオであるイギリスの「フィッシャー・レーン・ファーム」でその魔法のサウンドを再現するため、オリジナルのエンジニアであるヒュー・パジャムに依頼し、あの象徴的なドラム・サウンドを生み出した「タウンハウス・スタジオ」と同じスペックのストーン・ルームを建設します。残念なことに、現在この2つのスタジオは存在しませんが、IKはこの残響を永久に手に入れることができなくなる前に、フィッシャー・レーン・ファームを独占的に取材する許可を取りました。
The Farm Stone Room は、この希少なライブ・ルームの残響を、後世に伝えるために登場したのです。