<歴史とテクノロジー背景>
1997年にスタジオモニターを開発し始めたKSdigitalは、大学で信号処理の研究を担当し、スタジオでは10年の経験を持ち、音楽制作現場での実績も豊富。 20年以上の歴史の中で世界初のリニアデジタル制御FIRTECモニターが開発されました。 今日、圧縮された音楽ストリーミング、スマートスピーカー、ワイヤレス伝送が主流の現代ではこれらのカテゴリーはごく限られたユーザーの支持に注目されがちです。 アクティブデジタルスピーカー製品を開発する事は時にエキサイティングなチャレンジでもあり、その結果登場したのがC-LINEシリーズです。 KD-Digital社では顧客のニーズに応えるべく、開発は非常に柔軟なアイディアと高い技術力に裏付けられ、現場での音響測定は緻密に製品に反映されています。 豊富なラインナップの中でもC5,C8を代表とするC-LINEシリーズは10年に渡り世界中のスタジオで愛用されてきました。
<開発と生産>
KSDのシャーシはニアフィールドおよび3Dオーディオの為に異なるメーカーと特別に共同開発されています。 特許取得のFIRTEC技術は各楽器をパノラマに綺麗に配置する為の前提条件として用意されました。 製品はハンドクラフトが軸となる生産プロセスにおいて正確性と一貫性を保持し、制御された生産ラインにより高精度の製品を提供することを実現します。 デジタル信号プロセッサーのアルゴリズムの設計やアンプ回路で使用されるアクティブな電子パーツは当社独自の開発により生まれています。 10年以上の時を経て、開発されたしいReferenceシリーズでは特許取得済みのFIRTEC DSP処理が搭載されました。
<FIRTECTMテクノロジー>
人間の耳には大きさと位相が聞こえないという知識に基づいていますが、情報の流れが連続しているだけです。 各鼓膜に到達する空気圧の変化は、音響環境情報全体を構成します。それには音量、方向、部屋の情報に関する情報が含まれています。 FIRTECTMテクノロジーは、低音、中音域、高音域の信号を分離し、聴取者の耳に音波が結合され正しい、複雑なサウンドイベントになるように補正します。 このような周波数クロスオーバを有するシステムのインパルス応答は、位相歪成分を含まないので、オーバーシュートなしではきわめてきれいで、その結果が音質に現れます。 5msの「アナログ」レイテンシで管理されるFIRTECTMはアナログイコライザスピーカとまったく同じリップシンクロナイゼーションとレイテンシで動作します。 FIRTECTMテクノロジーを使用すると、システムのパルスレスポンスは、音楽信号の流れが正しく再生されるように数学的に事前イコライズされます。 これは自動的に大きさと位相の周波数応答のリニア化を意味します。
インパルス/周波数/位相の各レスポンスはFIRTECTMテクノロジーにより飛躍的に改善されます。
Implus Response Frequency Response Phase Response
<IFM/Individual frequency Matching 個別周波数マッチング>
管理された生産ラインにてハンドメイドで完成した各スピーカーは個別に測定され、DSPによって周波数、位相をリニア化し、音楽信号を正確に再生する事を実現します。 同軸シャーシ構造はエンジニアのニアフィールドモニター環境においてDSPにより補正された正確な音情報を伝達しています。 反射音よりはるかに直接音が正確にモニターできる為に小さなリスニングルームなど、ニアフィールドの場面で活躍するモニター構造となります。 リニア化された位相情報はステレオ音場再生において各パートの正確な位置決めを可能にし、全てのインストゥルメントを正確にミックス出来ます。 更にFIRTECデジタルフィルターを使用して問題の位相マッチングを解決します。そして同じ軸上の音源は空間的な反射に影響を受けずに耳に同相で到達します。 回路はアナログ信号を入力してデジタル処理を行い再びアナログ変換して増幅します。 巷の高価なDAC製品はその性能に依存しますが、KSDのデジタル処理はシグマデルタ原理(DSD)に従い64倍オーバーサンプリング24bitコンバーターにより きめ細かな分解能である事がその出音に存在感を示しています。その音質はデジタル処理をこなっている事を忘れるほど自然な雰囲気を持っています。 前モデルのC5、8- coaxシリーズと比較しても多くの改善点を確認できるでしょう。 フィジカルにアクセスできる背面のボリューム調整トリム、低域周波数ポット、高域周波数ポットはシェルビングフィルタをプラスマイナス10dBの範囲で素早く調整出来ます。 より細かな調整を望むなら別売のリモートコントロールユニットをお勧めします。