LINTECは最も有名なスタジオEQの1つであるPultecスタイルのイコライザーです。クラシックなPultecスタイルのワークフローを通じて行われる実践的なトラックメイクではボーカルや弦楽器に空間にエアー感をもたらし、キックドラムとベースの低音を強化し、バス全体に暖かさと重量感を加えます。
一度使用してみれば、なぜ長い間イコライジングはプラグインソフトウェアで済ませていたのかと後悔することになるでしょう。
Vintage Workflow for Your Modern Sounds
LINTECの無駄の無いクラシックな設計は、低域用のブーストとカット(ATTEN)用の共用の周波数選択と、高域用のブーストとカット(ATTEN)用のそれぞれ専用の周波数選択から成ります。この設計によって中音域を濁すことなくクリアに保ったままで低域と高域をそれぞれ必要な分だけ正確にトーンシェイプをダイヤルインすることができます。
ステップ式のコントロールによってリコールとステレオペアで使用する場合のマッチングが容易に可能です。
Cherry-Picked Components
LINTECは真空管ではなくソリッドステート設計によって一つの伝統を打ち破りました。我々Lindell Audioは皆さんと同じように真空管を愛していますが、LINTECに関してはソリッドステート設計にすることで真空管では得られない無数の利点がありました。
滑らかでクリーミーでパンチの効いたキャラクターをより高速なレスポンスで提供することができ、真空管ベースのEQに比べてノイズが少なくなります。ステレオで使用する場合のマッチング性能も向上し、真空管のメンテナンスも必要ありません。
LINTECに使用されるオペアンプはLindell AudioのVINシリーズやRetroシリーズ、500シリーズのコンプレッサーなどで充分な実績のあるOPA 1731オペアンプと同じものです。トランスはカスタム設計されており専用のものが搭載されています。
The Pultec low-end Trick
何千ものレコーディングでベースラインを太くしたりドラムをキックしたりするために使用されてきた悪名高いあのローエンドのトリックをLINTECは実現します。 希望のLF周波数を選択し(まずは100 Hz から始めてみてください)、好みに応じてブースト(LF Boost)とカット(LF Attenuate)の両方のコントロールを同時に上げます。
実はオリジナルのPultec EQのドキュメントには「低周波数でブーストとカットを同時に使用しないでください」と、かなり強気で主張されていました。この元々想定されていない使い方は好奇心旺盛なエンジニアがやり始めたことなのです。このブーストとカットの操作を同時に行うことで選択した周波数よりも低いローエンドがブーストされ、選択された周波数よりわずかに高い周波数がカットされます。この仕様により中音域が濁る心配がなく満足のいくボディ感が得られるのです。