アナログの伝統
1954年、真にユニークなコンプレッサー「NEOLD U17」が登場しました。
ハンブルクのAllgemeine Telefon-Fabrik社がNWDR放送局向けに製造したもので、この模範的なアナログ名機はわずか数十台しか作られず、史上最も希少なコンプレッサーのひとつとなりました。
架け橋となるデザイン
NEOLD U17は、ゲルマニウム結晶半導体を用いたソリッドステートのダイオードブリッジと、真空管および大型トランス結合増幅を組み合わせた、極めて洗練されたハイブリッド設計です。まさに両者の長所を兼ね備えた存在です。
オリジナルのハードウェアは穏やかで目立たないコンプレッションを提供することを目的としており、プラグイン版もその美しい特性を忠実に再現しています。しかし同時に、いくつかの強力な調整機能が追加され、紳士的なキャラクターがもう一つの顔を持つ存在へと変貌しています。
威厳あるパワー
入力段に配置されたソフトクリッパーは、強いトランジェントを抑えつつ心地よい色付けを加え、コンプレッサー部へと信号を送り込みます。そこでは強力な「Torqueコントロール」により、穏やかで透明感のある処理からストレートでアグレッシブな動作まで自在にブレンド可能です。
事実、NEOLD U17はアナログ設計の黄金時代に愛されたすべての要素を、現代的かつ経験豊かなダイナミクス処理のアプローチと融合させています。