SPLがマスタリング・コンプレッサーIRONをリリースしたとき、それは瞬く間に象徴的な存在となりました。彼らの目標は、ラジオ時代のヴィンテージ・コンプレッサーにインスパイアされた、心地よいメロディー・サウンドと透明感のあるコンプレッションを提供出来るモデルを作ることでした。
それでいて現代のマスタリングスタジオのニーズに完璧に適応できるよう、汎用性のあるものにしたいと考えたのです。
その結果誕生した重量25ポンド、4RUの真空管コンプレッサーは、世界中のトップマスタリングスタジオですぐにヒット作となりました。
・クラシック真空管にインスパイアされ、21世紀のイノベーション
IRONは、伝説的なヴィンテージ真空管コンプレッサーの音質を受け継ぎ、パラレルデュアル真空管回路、柔軟なアタックとリリース設定、ハイダイナミック120V動作電圧などの現代の革新的技術を加えて、新しいベンチマークを打ち立てました。
コンプレッションに1本の真空管を使用する従来のVari-Muデザインとは異なり、IRONはユニークな2重回路トポロジーを採用しています。12AX7/ECC83と12AU7/ECC82という、それぞれ微妙に異なるコンプレッション・カーブとフィーリングを持つ2つの真空管の間で信号を分割し、特別に設計されたMu-Metal鉄製トランスを搭載しています。この2つのコンプレッション回路はパラレルに動作し、好みに応じて組み替えられるため、チューブ・コンプレッションに対するユニークで柔軟なアプローチが可能です。
・ヴィンテージVari-Muコンプレッサーを遥かに凌ぐコントロール性能
IRONはサイドチェイン・フィルターを搭載し、AttackとReleaseのパラメーターはSlowからFastまで6段階に設定可能です。これらの時間は、選択されたRectifier回路によって変化します。6つの異なるRectifier設定は、それぞれ異なるダイオードの組み合わせを使用し、ゲルマニウム、シリコン、LED、そしてさらに多くのトーンのバリエーションを提供するために混合されます。
このように、IRONはマスタリングの分野だけでなく、サブウーファーの処理にも使用することができます。ボーカル、ベース、ギター、ストリングスなど、サブグループや個々の信号の処理にも使用できます。
・TMTのパワーで真のアナログ・モデリング
SPL Ironは、Brainworxが特許を持つTMT(Tolerance Modeling Technology)技術をベースにしたプラグインです。TMTは、回路モデリングのコンポーネントに現実的なアナログ公差を持つ複数のプラグインチャンネルを提供することで、ボックス内で最もリアルなアナログサウンドを提供します。
さらにデジタル専用の機能として、monomaker、stereo width、MS Processingなどを搭載し、オリジナルよりもさらに強力なプラグインとして仕上がっています。