TF10は、精巧なハンドクラフト・リボンマイクで高評価を得ているSamar Audio Design社のテクノロジーを継承した「コンデンサーマイクロホン」です。
TF10の徹底したディテールの追求により、現代の高解像度なレコーディングにおいて、高い要求を持つサウンドエンジニア達のマイクロホンの使用方法を本質的に変えられるほどのステップアップを提供できます。
新次元コンデンサーマイクのための完璧なプロダクトデザイン
TF10の心臓部には、チーフエンジニアであるマーク・フークスマン博士がデザインした独自のカーディオイド・カプセルを搭載。このカプセルはシングルサイドで3つのチャンバーを持った構造になっています。第1チャンバーと第2チャンバーがカプセルの周波数特性を形成し、第3チャンバーがタイムディレイを設定します。この3チャンバーの独立型構造では、すべてのパラメーターにおける正確なオプティマイズを可能にし、オフアクシス応答における優れた周波数と位相の完全性を保証しています。
この独自構造と特殊素材の組み合わせによってカプセルの寄生容量を排除、低歪みと究極の透明性を実現し、リアルな音像を提供する事を可能にしています。また、コンデンサーマイク用のDC-DCバイアスコンバーターを使用せずに動作するデザインにより、さらなる低歪みが達成されています。
マイクロホンボディには音響的な最適化が図られており、外装のないオープンメッシュスクリーンのロリポップ・カプセルが音波干渉やグリルの共鳴を排除します。さらにこのロリポップ・カプセルを支える台座は、特殊な流線型シェイプにデザインされており、他のほとんどのマイクが持っている音波の反射による定在波を排除する事にも成功しています。トランスペアレントな音質への配慮は細部にわたって徹底されています。
また、回路構成においては、低ノイズで色付けのない音色を達成するために高品位なコンポーネントのみを使用しています。TF10は極めて高いオーバーロード能力を持ち、最大10Vまで歪みのない出力信号を得ることができます。
さらに高級感のあるカーボンファイバー製ボディは、あらゆる種類の振動やリンギングに対する優れたダンピング性能を発揮します。
TF10は、幅広い用途に対応するために丁寧にチューニングされています。深い低音域のレスポンスと、ハイファイでシビランスのないトップエンドを持ち、滑らかなサウンドを提供します。色付けのないニュートラルなサウンドは、特にボーカルやボイスオーバーなど、シビランスのないサウンドが優先されるアプリケーションに適しています。伸びやかなローエンドとスムーズなトップエンドは、バイオリン、金管楽器、マンドリン、アコースティックギター、エレクトリックギター、ドラムオーバーヘッド、ルームマイク、オーケストラ、合唱などの収録に最適であり、スタジオレコーディング、ブロードキャスティング、クラシック音楽の収音に至るまで、様々なアプリケーションでご利用いただけます。
<Samar Audio design TF10 周波数特性> |
単一指向性にこだわった特別なデザイン
マーク・フークスマン博士は、マルチパターンのコンデンサマイクの設計よりも 「カーディオイドを正しく再生する」ことに集中しTF10を開発しました。
自社の工房でカプセルの製造を行うことができる環境と、音響学とオーディオ回路デザインにおける才能が、この特別なマイクロホンを完成させたのです。
カーディオイドを正しく再生する
TF10のデザインで最も興味深いのは、そのカプセルです。市販されている大口径コンデンサーマイクのほとんどは、Neumann社などと同じタイプの一般的なカプセルパターンを採用していますが、Markは原点に戻って独自の設計を行いました。
孤高の存在感と明確で個性的なビジョン
TF10の音質は従来のレコーディング用コンデンサーマイクのどのタイプにも当てはまらない独自の存在感を持ちます。その「オープン」なサウンドは、軸外でも高音域が極端に減少しない為、指向性が広く感じられます。また、近接効果の傾向が少ない事も大きな特徴です。その色付けの無いニュートラルで開放的な音質は、自らも著名なピアニストとして活躍するマーク・フークスマン博士が辿り着いた孤高のサウンドです。
細部までこだわったハンドメイド生産
SAMAR AUDIOでは、マイクのほぼすべてのパーツを自社の工房でハンドメイド製造しています。徹底した品質、細部へのこだわり、性能のすべてがハイクラスでありながら、高いコストパフォーマンスを実現しています。
また、カプセルの設計から製造までを自社の工房で行うことで、徹底したクオリティの追求が達成されています。