フランスでのEurorackパイオニア、Mutable InstrumentsのBraidsは単なるオシレーターではありません。
微調整と粗調整のピッチ/周波数コントロール、V/Oct入力、電圧制御可能なトーン/音色コントロールが搭載されたルックスは、オシレーターのように見え、出力されるサウンドを聴いてもオシレーターのように思えます。
Mutable Instrumentsではマクロ・オシレーターと呼んでいますが、これは控えめな表現です。Braidsは非常に洗練されたデジタル・シンセシス・エンジン。
45種類にもおよぶアルゴリズムの他、複数のオシレーター、波形テーブル、フィルター、VCA、リング・モジュレーターなど、内蔵の様々な機能を使用してヴィンテージ・シンセのクラシックな波形、ベル、レゾナント・フィルター、撥弦および擦弦楽器、ボーカルや母音/フォルマント・サウンド、管楽器、パーカッション、ノイズ、グラニュラー・クラウドなど、複雑なサウンドをジェネレートし制御できます。
モード毎にアルゴリズムが異なり、「Timbre」と「Colour」の2つのトーン・コントロールを回すことで様々なサウンドが生まれます。
これらのコントロールの機能は、アルゴリズム毎に変わるよう予めプログラムされており、多くの場合に複数のパラメーターを一度に調整してスイート・スポットを探り当てます。もちろん、これらのコントロールはCV制御可能です。
トリガー入力と内蔵のADエンベロープを使用すれば、各アルゴリズムを独立したシンセ・ボイスにすることが可能。
もちろん他のモジュールは不要です。
とは言え、他のモジュールと組み合わせば、想像できる範囲の全ての楽器を作り出せます。
ある意味、Braidsは古典的なシンセシス技法の百科事典であり、これらの技法を現代に活かすためのツールであると考えることができます。また、素晴らしい音質と使いやすさを兼ね備えています。
各モードが完結した楽器になるBraidsは、驚く程、そして見事なまでに、豊かで変化に富み、複雑でもあります。