数々の名作を支える“秘密兵器”を音源化
『MERCURY』は、ハリウッドの一流楽器デザイナー、チャス・スミス(Chas Smith)が手作業で製作した14の唯一無二のアコースティック・スカルプチャーをサンプリングしています。
これらの楽器、もとい作品は、映画「DUNE/デューン 砂の惑星」や「インターステラー」の得体の知れないサウンドスケープを描き、映画「マン・オブ・スティール」や「ハンガー・ゲーム」のヒーロー賛歌を歌い、映画「ソウ」シリーズを通して恐怖を表現しています。
このコレクションには600以上のテクスチャ、トーン、パッドが収録されており、eDNAを搭載した新しいプラグイン“Solar”で有機的にシンセサイズし、出力します。
実験楽器の王者、チャス・スミス
チャス・スミスは現実世界での音響実験の王者です。オリジナルの楽器を生み出すという非合理的にも思われる方法でサウンドを作り、ハンス・ジマーやチャーリー・クラウサーなどのトップコンポーザーが彼のサウンドを楽曲に取り入れました。
同氏の経験は比類がなく、想像力は無限であり、その多様な才能の組み合わせは超人的です。歴史上の彼の位置づけから、他の人間がその結果を複製することは不可能であると断言できます。
チャス・スミスは、元々ハリウッドで活躍するミュージシャンだったわけではありません。同氏は組合の溶接工、加工工として映画産業の金属加工を始め、モーション・コントロール・カメラクレーンの構造工学でアカデミー賞技術賞を受賞しています。
その分野での“職人”である同氏により作り上げられた「作品」は、他の誰にも複製不能な、複雑で有機的なサウンドを生み出します。