Yamaha CP-70は市場で最も成功した“ポータブル”のエレクトリックグランドピアノです。CP-70はツアーミュージシャンのために開発され、弦ごとに用意されたピエゾピックアップで拾ったサウンドをアンプで増幅するギターに良く似た仕組みになっています。
このアプローチによって、重さを140キロ弱におさえ、大幅なサイズダウンと分割構造を実現し、ツアーによる度重なる移動に最適なグランドピアノが誕生しました。70年代中盤にリリースされたCP-70は、ステージのみならず数多くの制作に重用されました。その愛用者として有名なのがPeter Gabriel、そしてStevie Wonder、ELPのKeith Emerson、Led ZeppelinのJohn Paul Jones、Boston、Journey、ASIA、Genesisなど、ポップミュージックからプログレッシブロックまで幅広く使用されました。
国内ではポップスからジャズ、フュージョンまで幅広く浸透し、当時ではカシオペアやスクェア、最近では小林武史が有名です。その後、デジタルピアノの台頭により80年代中頃に生産中止になりましたが、80年代の音楽シーンを象徴するその音色は現在でも他の楽器にはない魅力があります。
このプロジェクトはハイブリッドピアノスタジオのソフトウェア化を目標にしています。これらのチャンネルはミキシング可能で、好みの音色に仕上げることができます。CPの出力から直接アウトプットされたエレクトリックサウンドは鮮明でクリアな音色が特徴です。
微細な響きをも逃さず収録されたアコースティックサウンドは、一般的なL/RチャンネルにステレオペアのBrüel & Kjaerカスタムマイク、M/SチャンネルにNeumann U67とRoyerリボンマイクの組合せを使用しました。これらのマイクで収録されたチャンネルは、単独またはL/R、M/Sのグループでレベルをお好みの音量に調節できます。このことで、モノラルのアコースティックサウンドから5チャンネルのフルミックスまで、楽曲に合わせた完璧な音作りをサポートします。
加えて、音色の調節や仕上げのためにアコースティックとエレクトリックの両方のセクションに、独立したエフェクトとダイナミックスを用意しました。アコースティックセクションにリバーブを追加したり、エレクトリックサウンドにオーバードライブとコーラスをかけたり、あるいはその両方にEQ処理をしたり、納得いくまで操作と設定を繰り返すことができます。明快で直観的な画面設計がシンプルで確かな操作を実現します。
多彩な音色を実現するために、ブラシ、弓、E-BOW、指、ピック、スティックなど10種類のプリパレーションを施すことができます。通常の音色と同様にこれらの演奏スタイルは詳細にサンプリングされています。ラウンドロビン、リリースサンプル、共鳴、ペダルノイズなど豊かなサウンドのための要素もしっかり収録され、プリパレーションを選べばすぐに演奏することができます。
さらにプリパレーションを複合した演奏スタイルも可能で、未曾有のサウンドバリエーションをもたらします。『EGP』は濃密なサウンドスケープからパーカッシブなメロディまで、様々な音色を生み出し、スコア、サウンドデザイン、エクスペリメンタルや現代音楽 に最適です。
『EGP』は通常のサウンドだけでなく、プリパレーションに対してもエレクトリックとL/R、M/Sの5つのチャンネルが用意されています。音色の調節や仕上げのためにアコースティックとエレクトリックの両方のセクションに、独立したエフェクトとダイナミックスを用意しました。アコースティックセクションにリバーブを追加したり、エレクトリックサウンドにオーバードライブとコーラスをかけたり、あるいはその両方にEQ処理をしたり、納得いくまで操作と設定を繰り返すことができます。明快で直観的な画面設計がシンプルで確かな操作を実現します。
洗練されたユーザーインターフェイスは明快で、エレクトリック(ライン)とアコースティック(マイク)パートを一目で判別し、それぞれに対して的確な操作を可能にします。そしてMain、FXとSettingsの3つの画面切り替えで、目的のパラメーターにアクセスし、効率の良い作業と音作りを実現します。さらに即戦力とオリジナルサウンドを見つけるために便利なプリセットが100以上用意されています。その無限に等しい多彩さと快適さは、時間を忘れるほどサウンドデザインに没頭できます。
この音源の魅力は、最高のサウンドクォリティとエレガントな操作画面だけではありません。『EGP』の音源エンジンには、これまでの常識を覆すUVIの洗練された Engine XT™が採用されています。10年以上の研究開発によって進化したEngine XTは、先進的なリアルタイム圧縮システムを装備したことで、音源の読込み時間を1/7に短縮し、音源サイズの平均70%ダウンを実現します。EGPのパッケージ容量は、既存のエンジンなら 20GB必要なところ、この画期的なエンジンによって4.7GB容量まで削減することができました。もちろん、このことでサウンドクォリティの損失はまったくありません。
『EGP』は一世代を築き上げた魅力あるピアノサウンドから揺らめくアンビエントまで、幅広い音色を網羅したクリエーティブな楽器です。エレクトリックグランドの特徴的なサウンドを必要とするキーボーディスト、作曲家、プロデューサーから、新しい音作りを求めて止まないサウンドデザイナーまで、『EGP』は多様性に富んだサウンドを供給するパワフルツールです。