このMaster EQ 432モジュールは、は、「黄金の規範」として、マスタリング・イコライザーのスタンダード中のスタンダードとされるあの名機をベースにしたプラグインです。ベースとなったオリジナル機は、録音技術史における最も独創的な2人のパイオニアによって開発された、史上初のパラメトリックEQです。このデザインは、後に続く、世界中、数々のパラメトリックEQの基礎となりました。
帯域間の相互干渉のない、周波数帯域がそれぞれ完全に独立して制御できるパラメトリックEQは、当時の技術では不可能と考えられていました。クオリティに妥協のない部品構成、独立したハイ・パフォーマンスなカスタムのオペアンプ、そして完全なトランスフォーマー・レスの信号経路という、「魔法」とも呼べる回路によりもたらされた透明な音響特性そして音楽的なサウンドにより、その当時から現在に至るまで世界中のマスタリング・スタジオで使用されながらも、現在では入手困難となっています。私たちIKのチームは、最新のDSPテクノロジーにより、そのマスタリングEQの名機を、現代のデジタルDAWのフォーマットで、その伝説的なサウンドのニュアンスを可能な限り再現することを試みました。その伝説の名機をモデリングした初のプラグインとなります。そのサウンドは、現代の標準的なデジタルEQを遙かに凌駕するものです。
さらに、いくつもの設定を瞬時に呼び出したり、パラメータをオートメーションしたりといったデジタルならではの機能や、実機では3種類のハードウェア・バージョンとして、それぞれに装備されていたピークEQのブースト/カット・レンジを切替える機能も装備しています。
特に、各帯域ごとのゲイン・レンジの精密さは特筆すべき点でしょう。
マスタリングのエンジニアの皆さんには、例えば、センターで、ステレオ両サイドとは違うEQの処理を行うなど、チャンネルごとに別々の処理を行うテクニックを好まれることでしょう。Master EQ 432ではL/RモードからM/Rモードに切り替える機能などを装備しており、こうしたニーズにも応えます。
このモデルは、まさしく「これ以上のない最良のもの」とも言えるでしょう。比類無き透明感をともなったハイエンド、堅固なローエンド、そして魅力的なまでに繊細なミッド・レンジ。マスタリングEQにおいて可能な限り最良の結果を得ることができます。ミックスの最後の仕上げとして、そのトラックをマスター・クォリティに変えてしまう秘密兵器なのです。