SC307はEVEの2番目に発表された3ウェイ・システムです。このパワフルなモニターは、二ア・フィールド、ミッド・フィールドの両方に対応します。サラウンドの設定では、センター・チャンネルとしても理想的です!
SC305は3つの各帯域専用のアンプを内蔵し、それぞれに最適なパワーをバランス良く効率的に供給することで、ダイナミクス特性に優れ、ノイズは非常に低く抑えられています。
私たちの3ウェイのシステムは、優れた低域特性はもちろん、細部まで確認し、厳密な判断が必要とされる場面での使用を想定してチューニングされています。
コンポーネントから独自設計
私たちの3ウェイシステムは、それぞれのコンポーネントに適切に再生周波数域を割り当てることで、一つのシステムとしての効率と能力を向上させています。
2つのウーファーと1つのツイーターは、それぞれに独立した専用のアンプによりドライブされます。SC307のウーファーの片方は、300Hzまでの低域だけを再生する「ベース・ウーファー」として機能します。もう一方のウーファーは、3000Hzを中心としたクロスオーバー帯域までを再生する「ベース・ミッドレンジ」ドライバーとして機能します。3000Hz以上は、AMTツイーターが再生します。これらのクロスオーバー帯域では、ドライバー同士の相互干渉が極限まで抑えられ、非常に効率的でダイナミックなサウンドの再生を実現しています。
両方のウーファーは、SC207と同様に専用に設計された6.5インチの「シルバーコーン」ウーファーを採用しています。それぞれのウーファーに物理的に違った設計を施すよりも、同じサイズのウーファーに別の帯域を再生させた方が、内部構造が簡略化され、より効率的な音波の伝達が可能になり、一般的な2ウェイのシステムより低い、40Hzまでの低域を豊かに再生することができます。
SC307は専用設計のAMT RS2ツイーターを採用しています。より大型のリボンと駆動部で、ウーファーの出力にあわせて、より高い出力レベルを実現しています。
SC307は3つの100W PWMパワーアンプを備えており、パワー不足を感じることはないでしょう。最大音圧は114dB(SPL@1m)を誇り、余裕のあるモニタリングが可能です。
SC307を部屋やスタジオにどう正しく設置するか、心配は無用です。DSPにより左右のウーファーが再生する帯域を切り替えることができるので、完全に左右対称にスピーカーを設置することができます。設置場所にあわせて、DSPでフィルター調整を終えたら、背面のディップスイッチでフィルター設定の変更を一時的にロックすることも可能です。
SC307は他のEVE Audioのスピーカーと同様、バランスXLR入力とアンバランスRCA入力の両方を背面パネルに装備しています。
DSPが実現した高度なバランスと操作性
すべてのEVE Audioのスピーカーには、高解像度のDSP回路が備わっています。フロントパネルのシンプルなプッシュ式ノブ一つで、ボリュームの正確なコントロールと、複数のフィルター設定が可能で、作業環境に合わせてモニターをチューニングすることができます。
デジタルのプロセシングを繰り返したくないと思うかも知れませんが、内蔵のDSPエンジンが受け取る信号は、Burr-Brown社製のハイビット/ハイサンプリングレートのA/Dコンバーターから、ピュアなまま供給されます。PWM方式のアンプはDSPから直接デジタル信号を受け取り、効率よくウーファーとツイーターを駆動します。DSPについてより詳しく>>
低ディストーションのラウンド・ベースポート
EVEのスピーカーのデザインで、音に関係のない要素は一切ありません。ベースポートのネガティブな作用の一つに、低音のディストーションが挙げられます。ボリュームを上げるにつれポートの効率が下がり、ディストーションが起こり始めます。
EVEのスピーカーは、通常より大型のエッジが丸められた長方形のベースポートを採用することで、低周波数帯域を効率よく再生します。その結果、タイトでパンチのある音圧感を実現しながら、ディストーションは皆無です。非常に大きなボリュームで再生しても、低域の正確さは変わりません。