狂気と調和のボーダーラインで踊る、鏡の迷宮。
微細な不協和を操る特異なピッチシフター
Mirror Houseは今までにない独特の世界観を持つ、非常にユニークなピッチシフター。EAEと良き友人であるアメリカのオルタナティブ・ロックバンド”Pile”とのコラボレーションで制作されました。
入力されたシグナルから鏡写しの様に2つの「分身」を生成し、それぞれ等しく正反対のピッチシフトを適用して互いを引き離します。一般的なピッチシフター系デバイスとは完全に異なるこの”DIAMETRIC PITCH SHIFT”というアプローチは、奇妙なデチューン、並列でのハーモニー、幻惑するような微分音のクラスター、更に踏み込めば醜くも美しい不協和音を自在に操ることを可能にしています。
3つのモード、シンプルながら奥深いコントロールの全ては、巷にあふれる既成の音楽美から意図的に逸脱するためのもの。Mirror Houseは”完璧なズレ”を演出し、調和と狂気の境界線にある新たな風景を描き出します。
Mirror Houseは入力された信号にユニゾンを中心とした2ボイスのピッチシフトを生成し、それを正反対へ等しく離していく、”Diametric(対極の/正反対の)Pitch Shifter”です。コンセプトはシンプルですが、鏡の迷宮(ミラーハウス)で映るいびつに捻じ曲がった像のように、従来のピッチシフターにはない特異な雰囲気を纏っています。
一般的にピッチシフターに想起するような、きらびやかに漂う音のシャワーももちろんカバーされていますが、Mirror Houseの魔法はわずかにズレて逸脱してしまった設定から始まります。狂気スレスレのマイクロトーナル(微分音)クラスター。不安定なデチューン。軋み、揺らぐ不協和音。時に美しい和声、時に不快で切迫したディスオリエンテッドを突きつけます。
正確なハーモニーを追求するものが多いピッチシフターの世界において、「パーフェクトな違和感を演出する」ことを見据えたMirror Houseは、非常に誘惑的であり挑戦的。はみ出したモノたちに美しさを感じたり、鳴る音をただ受け入れて踊ることを好むなら、Mirror Houseは貴方に新たな世界を開くはずです。
特異な3モード
・Shift(スイッチ上)
Amountノブで-1から+1オクターブの範囲でピッチシフト量を設定。半音単位のステップ変化のため、目的のピッチを的確に狙うのに適したモードです。一般的な西洋の音楽理論では使われることの少ないトライトーン、並行和音、完全4度といった和音にもアクセス可能。
・Detune(スイッチ下)
Amountノブで各ボイスを最大で半音アップ/ダウンの範囲でピッチシフトさせます。微分音やデチューン的なピッチのズレ、更にプッシュすれば美しくディスオーダーする不協和音へ広がっていきます。
・Flutter(スイッチ中央)
Detuneモード同様、Amountノブで各ボイスを半音アップ/ダウンの範囲でピッチシフトさせ、更にAnimateノブでランダムLFOを適用できます。自己変調によって生まれるオーガニックかつ調子外れな波形は、コーラスやランダムビブラート的なサウンドに最適。