Focusrite ISAシリーズの歴史は1985年までさかのぼります。それはジョージ・マーティンが、伝説的コンソール設計者ルパート・ニーブにAIR Montserratスタジオにあったコンソールのための、新しいモジュールの設計を依頼したことに端を発します。そして製作されたモジュールが、伝説とも呼ばれるISA 110です。すべてのISAシリーズのマイクプリアンプは、このモジュールをベースにしています。モジュールを特徴づけたLundahl LL1538入力トランスはそのままに、現代に必要とされる機能、可変式インピーダンスが追加されています。ISAマイクプリは、30年前のモデルをほぼそのままの形に保っています。そして今日、ISAマイクプリはAIR Studiosのコンソールを超え、世界中のスタジオ、アーティスト、プロデューサー、エンジニアのもとへ届けられ、数え切れないほどのヒット曲でそのサウンドを聴くことができます。
4チャンネルの伝統的なマイクプリと、追加機能
第二世代として登場したISA 428 MkIIは、高い評価を誇る4つのFocusriteマイクプリ、シンプルな操作が可能な2Uラック筐体に搭載しました。4つのマイクプリに加えインストゥルメント入力、ライン入力も設けられています。オリジナルのマイクプリは当時のマイクに最適な形に設計されていました。現在のモデルには一つだけ小さな変更が加えられています。古典的なISA 110の設定に追加された、3つの可変式インピーダンス設定です。これによって新旧あらゆるマイクに対応することができ、ビンテージの暖かなマイクからクリアで透明感のあるモダンデザインのマイクまで、幅広いサウンドにアクセスすることができるようになりました。もちろん、設定をあえて変更して、実験的なトーンやエフェクトを加えることもできるでしょう。
フロントパネルのインストゥルメント入力
マイク入力に加え、ISA428 Mk IIのフロントパネルには4つのインストゥルメント入力が設けられています。DIボックスを使わずにコントロール・ルームでのオーバーダビングを行う、といった作業にも最適です。さらにリアパネルには4つのライン入力を搭載、各チャンネルでスイッチによるオン・オフが可能なインサート・ポイントを利用でき、外部シグナル・プロセッサーとの接続が可能です。低域のコントロールには欠かせない、ビンテージ・デザインの可変式ハイパスフィルターも備えられています。これらのシグナルを、6つのLEDメーターで正確にレベルを把握することができます。さらに、オプションとして、122dBのダイナミックレンジとジッター・パフォーマンスを持つ、高精度の8チャンネルA/Dコンバーターも用意され、DAWとのシンプルなインターフェイスとしても機能します。