シンプルに美しく、美しくシンプルに
TLM 193 は、プロジェクトスタジオをはじめ、極性パターンの切り替えが不要な用途におけるスタジオマイクロフォンのリファレンスクラスです。TLM 193 のカーディオイドパターンは固定となっており、スイッチはなく、極めて均等な周波数特性を実現しています。非常に取り扱いやすいマイクです。
聞いたものをありのままに捉える
TLM 193 は、軸上、軸外において非常にリニアな応答特性を持つ、極めて均一なカーディオイドパターンを備えたスタジオ用コンデンサーマイクロフォンです。この特性により、TLM 193 を音源とその部屋の雰囲気を不要な脚色抜きに捉える、非常に誠実で率直なマイクロフォンです。TLM 193 のサウンドイメージは、我々自身の耳で聞くものに非常に近いものになっています。
ピュアカーディオイド
技術的に言えば、TLM 193 は、当社で高い評価を受けているリファレンスマイクロフォンである TLM 170 R をカーディオイドのみに削ぎおとしたバージョンです。TLM 170 R と同じく、スモールダイヤフラムとラージダイヤフラムマイクロフォンの長所をあわせ持つ、モダンなエッジターミネーション設計の K 89 ラージダイヤフラム カプセルを採用しています。TLM 193 は、スモールダイヤフラムカプセルの優れたリニア特性と素早い過渡応答と、ラージダイヤフラムマイクロフォンのみが持ちうる滑らかさと高い感度を兼ね備えています。
TLM 193 はほかの TLM シリーズ製品と同様トランスレスの回路を採用しており、伝送損失を最小にとどめるとともに 130 dB という広大なダイナミックレンジを確保しています。TLM 193 は非常にソフトな音源も、非常に大きな音源も、音の劣化なしに捉えることができます。数値で言えば、TLM 193 のセルフ固有自己ノイズはわずか 10 dB(A)となっています。これは非常に静かなレコーディング スタジオの環境ノイズよりはるかに小さいノイズです。パッドスイッチなしに、TLM 193 は 140 dB という極めて高い音圧レベルまで歪みのアーチファクトなしに扱うことができます。
単純に美しい
その音の純粋さと卓越した技術が、TLM 193 を幅広い用途で取り扱いやすいマイクロフォンとして位置づけています。音源に向けて音の自然な美しさを捉えましょう。TLM 193 はボーカルやスピーチ向けの非常に優れたマイクロフォンです。とりわけ吹き替えやナレーションで、混じり気のない、本物の声の特性をそのまま捉えます。もちろん、TLM 193 はアコースティックギターやエレキギター、ドラム、パーカッション、ピアノほか、多岐にわたる楽器に使用することもできます。
TLM 193 は主に自宅やプロジェクト、ブロードキャスト スタジオ向けに設計されていますが、さらに大きな舞台でも便利で万能なマイクロフォンとして活躍します。リニアかつ、軸上・軸外で色づけのないサウンドイメージが TLM 193 を弦楽器や木管楽器、金管楽器など、オーケストラのレコーディングにおける非常に優れたスポットマイクロフォンとなります。若干小型で黒い色のデザインである TLM 193 は、視覚的にも目立ちません。