ヴィンテージ・チューブ・アンプとカスタム・トランスフォーマーが音の舞台を仕立て上げ、トゥルー・パッシブ・イコライゼーションが華麗で音楽的なEQカーブを描き出します。Retro 2A3はこれまでのイコライゼーションを遥かに凌駕する芳醇な色付けが得られる高品位のプログラム・イコライザーとしてデザインされています。業界標準とされるPultecEQのパフォーマンスを正確に再現しつつ、2A3にはHFブーストにスウィートスポットが追加されました。進化を遂げたHFブーストも厳密な回路設計がなされ、オリジナルのEQサウンドを忠実に再現しています。ボーカルには輝きと至極の存在感を与えるでしょう。あらゆるソースに上手く馴染みますが、特にステレオ・ミックス・バスを通すことで格別な効果を実感できます。
Feature
新しく搭載されたSUBSONIC FILTERは低域のピークをコントロールし、可聴域以下の過度な低域を上手く処理します。インターステージ・トランスを活用することで、余分な低域を処理するだけでなくトランスの独特なキャラクターが付加されます。SUBSONIC FILTERはOFF/40/90Hzの3点で切替可能で、シャープなピーク・レスポンスとカットオフを適用します。40Hz設定では、35 ? 40Hzのあらゆるリスニング環境において肝となる帯域にエネルギーを与えるため低域のロスを感じさせることがありません。スムースな質感を加えるエフェクトは中域全体に感じることができます。タイトで正確な低音域が必要なソースを通した際には簡単に設定を切替えることができます。
2A3は2Uサイズにも関わらず2チャンネル仕様で、ラック内の移動やセッティングの自由さに長けています。ステレオ・トラックに使用したり、複数のモノラル・トラックに使用したり、さらにはカスケードさせたりと2A3の音作りには無限の可能性が広がっています。
2A3のサーキットはアンプ・フィードバックに依存せず、そこに生まれるアクティブ・イコライザー独特のハーシュネスなどの副作用が混ざることがありません。2A3のサウンドはどこまでもナチュラルで余裕のあるブースト及びカットを実現します。キックやベース・ギターに欠かせないPultecベースのブースト/カット・メソッドに2A3の設計段階において深く注目しました。低域のブーストと中低域のカットを同時に行うことで、モタつきを消し去り力強いパンチ感を与えます。また2A3のイコライザーをアクティブにせずシグナル・チェーンに組み込むだけでも、チューブ・アンプ・ステージが生み出す独特なサウンドを加えることができます。ミックスやマスタリング、トラックの多彩な音作りと色付けに2A3は貢献します。
Review Tape Op June 2013 より
“僕がRetro 2A3を一番気に入っているポイントはミッド・レンジのサウンドだ。個人的な見解だが、これまで耳にしてきた中域のサウンドの中で2A3の音が最高なんだ。良く聞かせるのがとても難しいレンジなのに、2A3は見事に仕上がっているよ。”
F. Reid Shippen