Trigon-6(トライゴン・シックス)は3つのVCOとラダー・フィルターによるクラシック・サウンドを受け継いだ6ボイス・アナログ・ポリフォニック・シンセサイザーです。
シンセサイザーの黎明期に登場し、歴史に深く刻まれている、3つのオシレーターとラダー・フィルターによる分厚くてクリーミーなクラシック・サウンド。誰もが一度は聞いたことがあるサウンドを、SEQUENTIALがポリフォニックで実現したのがTrigon-6です。ジャンルとスタイルを飛び越える新たなサウンドをSEQUENTIALが現代に再定義し、ここへ新たな歴史を刻みます。
ファクトリー・バンクにはクラシックなファットでクリーミーなシンセベース、フィルターの発振を利用したリード・サウンド、ストリングスやブラスやパッドといったポリフォニック・サウンド、そしてTrigon-6の特長を最大限に生かした現代的なサウンドまで、珠玉のプリセット500プログラムを内蔵しています。
まったく新しい3つのVCOとラダー・フィルターを搭載
Trigon-6のVCO(ボルテージ・コントロールド・オシレーター)はTrigon-6のために新たに設計されました。ボイスごとに3つのVCOを使用でき、波形は三角波、ノコギリ波、逆相ノコギリ波(VCO3のみ)、可変幅パルス波から1つまたは複数を同時に選択できます。3つのオシレーターとは別にホワイトノイズも搭載しています。
ボイスごとに搭載されているラダー・フィルターは、SEQUENTIALのモノフォニック・シンセ「PRO 3」に搭載されているラダー・フィルターを拡張した新しいバージョンです。2/4ポール切り替え、レゾナンスを上げると自己発振も可能なクラシックな設計。さらに専用のドライブ/フィードバック・ノブを少し回すだけで、太くクランチーなサウンドからシルキーで滑らかなサウンドまで、音色を大胆に変化させることができます。
SEQUENTIAL伝統のPoly Mod、他に類を見ない強力なユニゾン・サウンド
SEQUENTIALシンセサイザー伝統のPoly Mod(ポリ・モジュレーション)はTrigon-6にも搭載されています。モジュレーション・ソースはフィルター・エンベロープとオシレーター3を、デスティネーションはオシレーター1,2,3の周波数、オシレーター1,2,3のパルス幅、フィルター・カットオフ、フィードバックをアサイン可能。使い込むほどに奥深いPoly Modはサウンド・デザインの可能性を大きく広げます。モジュレーション・ソースの1つであるオシレーター3は、キーボード・トラッキングをオフにして、オクターブをLOに設定することで、追加のLFOとして使用することもできます。
ユニゾン機能は最大6ボイスを重ねてモノフォニックで演奏する機能です。Trigon-6は最大で18オシレーター(ボイスごとに3オシレーター x 6ボイス)をユニゾンできるので、他に類を見ないパワフルなアナログ・ユニゾン・サウンドを演奏できます。ユニゾンするボイス数は1ボイスから6ボイスまで設定できるので、1ボイスに設定するとTrigon-6をクラシックなモノフォニック・シンセとして使用することもできます。またユニゾンにはコードメモリー機能も搭載しており、1つのノートを押さえるだけで最大6ボイスのコードを演奏できます。
ヴィンテージ・シンセの挙動を再現する「Vintageノブ」
ヴィンテージ・シンセの魔法のようなサウンドの秘密のひとつに「ボイスとボイスとの間のチューニングのズレ」があります。プロの技術者が精密なチューニングをしても生じるこの「ズレ」により、シンセのサウンドにアコースティック楽器のようなランダムな「揺れ」が生まれ、人の耳に心地よく感じるサウンドになって届くのです。Trigon-6にも他のSEQUENTIALシンセと同様、このズレを再現する「VINTAGEノブ」が搭載されています。キッチリと揃った精密なチューニングから、このノブを回すことで次第にヴィンテージ感が増していき、ノブを回すほどに温かく、有機的で、生き生きとしてサウンドへ、そしてノブを回しきる頃には荒々しいサウンドへと変化していきます。
デュアル・エフェクト
デュアル・エフェクト・セクションは、スタジオ・クオリティのリバーブ、ディレイ(デジタル・アナログ・モデルを含む)、コーラス、フランジャー、フェイズ・シフター、リング・モジュレーションを搭載しています。エフェクト自体は24ビット48kHzの解像度を持つデジタル・エフェクトですが、エフェクトをオフにするとトゥルーバイパスにより完全なアナログ信号経路になります。
デュアル・エフェクトとは別に100%アナログのステレオ・ディストーションも搭載しており、ノブを回すだけでサウンドに強烈な歪みを加えることができます。
64ステップ・シーケンサーとアルペジエーター
Trigon-6はパワフルな64ステップ・シーケンサーとアルペジエーターを搭載しています。
64ステップ・シーケンサーはタイと休符をプログラム可能な、クラシックなスタイルのステップシーケンサーです。1ステップごとに最大6ノート、最大64ステップのフレーズを直感的にプログラムして再生することができます。ライヴパフォーマンスや、思いついたフレーズのメモなどに使用できます。
アルペジエーターはアルペジオ(分散和音)を、キーボードを押さえるだけで演奏できる、ライヴパフォーマンスで大活躍するパワフルな機能です。異なる 5 種類のモード (Up, Down, UP+Down, Random, Assign) から選ぶ事ができ、ノートリピート、リラッチ、BPM、クロック・ディバイドといった細かな設定ができます。
64ステップ・シーケンサー、アルペジエーターともに内部クロックだけでなく外部クロックにも同期することが可能です。
分かりやすく直感的な操作性
クラシックから最新まで500ファクトリー・プログラムを用意
Trigon-6のディスプレイは現代的な液晶や有機ELなどではなく、クラシックな3桁の7セグメントLEDディスプレイを採用しています。音色に名前を付ける事はなく、全て3桁プログラムナンバーで表示します。音色の選択はその昔デイヴ・スミスが開発した名器Prophet-5を受け継ぐクラシックスタイルで、ディスプレイ左のバンクボタンを押して0〜9までのバンクを選択、ディスプレイ右のTENSボタンでプログラムナンバーの10の位を選択、そしてディスプレイ右の0〜9まで並んだプログラムボタンを押して音色を選択します。10の位ごとに使う音色をプロジェクトや曲毎に設定しておけば、プログラムボタンを押すだけでダイレクトに音色を選択できます。
音作りに関係するほぼ全てのパラメーターはコントロール・パネル上に配置されており、面倒な階層表示やボタンによる機能の切り替えはありません。一度に全てを見渡しながら、音作りに集中出来る設計です。MANUAL ボタンを押せば、ロードされているプログラムを無視し、実際のフロントパネル上のノブやボタンの設定の全てが音色に反映されるライブパネル・モードになります。ライブパネル・モードは音源の仕組みを勉強する際や、1から音作りを始める場合などに便利です。
音色はファクトリー・バンク・プログラムを500プログラム、ユーザー・プログラム500プログラム、合計1000プログラムもの膨大な音色を記憶可能です。ファクトリー・バンクにはクラシックなファットでクリーミーなシンセベース、フィルターの発振を利用したリード・サウンド、ストリングスやブラスやパッドといったポリフォニック・サウンド、そしてTrigon-6の特長を最大限に生かした現代的なサウンドまで、珠玉のプリセット500プログラムを内蔵しています。