『THINGS – VOICE』は、ボイスオーバーやボーカルに特化したシンプルなワンノブ・コンプレッサーです。Hainbach氏とのコラボレーションの第7弾で、チャンネル・ストリップの『DIALS』をベースにしており、大音量でありながらスムーズな声を作るために必要なものが全て揃っています。
本製品のモデルとなったハードウェアは、1950年のドイツ製ラジオ放送機器から派生した複雑なコンプレッサーです。さらにヴィンテージなトーンを得たい場合は、SATURATIONスイッチをオンにすることで真空管を忠実に再現した質感を加えられます。
またオーソドックスな表現でもある低音のブーストを行うため、心地よいサウンドを再現するためのEQを追加しました。
本製品のモデルとなった1950年代~60年代にかけて使用されていたドイツの測定器は、もともとは無線送信機に一定のレベルと周波数を送るために使われていました。受信機側では、信号がどのように伝わり、どのような調整が必要かをチェックするための指針として扱われていました。
アナログのスペシャリストであるRogalow Audio(PL)のWojcek Czern氏は、この測定器をV72やV76のようなスタジオのレジェンドに匹敵する、高品質のマイク・プリアンプに改造できることに気づきました。そうして作られた機器は、ボイスのみならずアコースティック・モノ・レコーディング、プロセッシング・シンセ用のヘインバッハのメイン・プリアンプとして使用されるようになりました。
このアンプの副次的効果として、信号を心地よく圧縮してくれるといった効果があります。このアンプを通して歌うだけで程よいコンプレッションがかかり、心地の良いサウンドになることでしょう。この効果を分析することで、コンプレッサーとは別にプリアンプの素晴らしい倍音豊かなゲインを得られるよう、調整可能な構造を実現しました。